JAIA輸入車試乗会2022(メルセデス・ベンツC200アヴァンギャルド)

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JAIA(日本自動車輸入組合)の主催する試乗会で、乗ったクルマをレポートします。今回は、メルセデスの大・中・小セダンのうち、中のC200アヴァンギャルド。

前回のAクラスに続いてCクラスです。プロポーションは、FFのAクラスよりも、FRのSクラスに近く、ミニSクラスといえる雰囲気。ただグリルだけはSL風の天地が薄い軽快なもので、Aクラスに近いといえます。

リアから見るといっそうSクラスに似ています。間にEクラスがあるのを忘れそうです。Cクラスの全長は4755mm(この車両はAMGラインなので4785mm)で、Aクラスの+約200mm、上のSクラスからは-約400mm。さらに今回乗っていないEクラスとは-約200mmなので、見事に等間隔のヒエラルキーが形成されています。

内装はAクラスと共通性も感じられますが、エアコン吹き出し口の形状は、ややハム型というか四角さが入っており、長方形のSクラスの形状に近づいています。階級の連続性が徹底しています。ただ、センターのパネルは縦型で、低い位置に斜めに置かれており、Sクラスと同じです。この辺りはデビュー年に従って順次進化しています。

現行Aクラスにはまだ、パネル操作のためのダイヤルがコンソール上にありますが、Cクラスではついに廃止されました。タッチパネルだけでやるわけです。あとはもちろん音声認識ですが、今回それは試しませんでした。結果的にダッシュパネル付近は外観同様に、非常にすっきりしました。ダッシュ各部の造形がなめらかで、このシルバーの加飾もいかにもメルセデスブランドらしい感じ。

さて走った印象は、しなやかです。Aクラスよりさらになめらかで上質、やはりメルセデスらしいコンフォートさを感じます。スポーツモード選択時には、芯の硬さもあり、スポーティ志向です。しかし先代Cクラスは、電子制御のエアサス付きモデルがごく低速では硬かった記憶がありますが、今回の車両は低速での突き上げがあまり目立ちません。

エンジンは1.5リッターのターボで、Aクラスよりも回したときの音が滑らかです。これも旧型Cクラスのデビュー当初の直噴2リッター・エンジンはザラザラ感が目立っていたのが、洗練された印象です。エンジンそのものの工夫なのか、遮音も効いているのか。今回乗ったあとでISG付きのマイルドハイブリッドと知りましたが、それは、よほど意識して観察しないとわかりません。

今回この車両は2日間で2回乗ることができ、1回目には気づかなかったものの、2回目のときに、ハンドルをちょっと左右にふってみるとかなりクイックにノーズが反応するのがわかり、まいたカーブを少しシャープに曲がってみると、まさしく4WSのような動き。あとで調べるとやはり4WS装着車でした。これはその後同じコースで同じようにSクラスで走ってみたところ、コンフォートモードで走っていたのか、4WSらしいシャープな巻き込みを感じませんでした。

4WSはC200アヴァンギャルドのAMGラインの装備ですが、Cクラスのほうがスポーティに曲がる仕立ての4WSなのかと思ったものの、スタッフに聞いてみると必ずしもそうではないようです。C200も、ふつうに走っていれば違和感は感じません。ステアリングギア比もクイックなようです。4WSは60km/h以下は逆位相で最大2.5度ということで、今回感じたのは典型的な逆位相の動きでした。

ホイールはAMGラインに装着されるものですが、セミディッシュ風?というか、ユニークなデザインです。見た目からの想像どおり空力目的のデザインとのことですが、プラスチックのカバーでなく、ホイール本体がこういう形状なのが新しいと感じます。

今回ブレーキのフィーリングが、微低速域で少し違和感があって、何度かカクンとすることがあり、ここは調整してもらいたいと思ったところです。

価格は車両で654万円。Aクラス・プラグインハイブリッドと約50万円の差ですが、車格はすべての点でこちらが上で、パワーユニットはA250eのほうがパワーも燃費も特別感がありそうです。たださすがにCクラスのほうが、大人の余裕を感じます。

(レポート・写真:武田 隆)

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