東京オートサロン2024で気になった展示を見ていきます。まずはトヨタのブース。
トヨタのブースでは、個人的には毎年、ルマンやWRCの展示車両を見るのが楽しみでしたが、今年は隅のほうに、やや古い車両が展示してあるのみ。
WECでチャンピオンとるのはもう毎度のことだし、ルマンでは去年はおもしろくない負け方をしたので(本来レギュレーションにないハンディを課せられた)、トヨタとしては喜んでマシンを展示したい気持ちにはならないのかもしれません。WRCは日本戦が国内でニュースになり、日本人の勝田選手も際立った速さを見せたので、そのマシンを展示すればけっこう人が集まったとも思いますが、今年はあえてオートサロンでそこまでしなくても、ということだったのでしょうか。
いっぽう国内レースのスーパーGTとスーパーフォーミュラのマシンが目を引きました。といってもその中身がすぐわかる人はそう多くないかもしれません。2023年に両シリーズでチャンピオンをとり、今年ヨーロッパでF2に挑戦することになった、宮田莉朋選手のマシンです。
これはレクサスRZ450eの特別仕様車(F SPORT Performance)。その目玉のひとつは、特別なカーボン製の空力パーツをつけていること。エアレースのパイロット室屋義秀選手がその空力パーツの開発に協力しているそうです。
そのカーボンパーツは、トヨタの元町工場内で自製しているとのこと。もとはレクサスLFA生産時に、ほかの製造設備とともにカーボンの設備が元町工場内につくられ、LFAの生産終了後にもカーボンの設備だけは残されたのだそうです。スタッフによると、「車体部カーボン課」という課が実際にあるのだそうです。
トヨタのブースで壇上に並んでいたのは、豊田章男会長の“モリゾウ・コレクション”。スズキの車両が置かれていたのは、意表をつかれました。
ブース内で展示を見ていたら、なにやら黒山の人だかりが。章男会長の登場でした。皆、クルマそっちのけで、まわりをかこんでいました……。
(レポート・写真:武田 隆)