東京・三田にあるイタリア大使館にて、ピレリが創業150周年を記念するプレス向けイベントを開催。合わせてスタッドレスタイヤの新製品も発表されました。後半では、その歴史も紹介します。
イタリア大使館の正門から入ると、まず出迎えたのはランボルギーニ・シアン・ロードスター。ランボルギーニの中でも極め付きのモデル。イタリアづくしで来場者を歓迎(圧倒?)する趣向だろうかと思いましたが、その後もイタリアづくしは続きます。ちなみに当然ピレリ・タイヤを履いています。
中庭にはフェラーリ。フェラーリも普段なかなか拝めないスペシャルなモデルで、モンツァSP2。まさに目の保養になるクルマです。これもタイヤはもちろんピレリ。皆Pゼロを履いています。
こちらは、2輪のバイクと自転車。中庭の展示車両は皆イタリアンレッド。こだわって揃えたのか。印象的です。
自転車のロードバイクはピナレロ。フラッグシップモデルとのことで、東レのカーボン製フレームで、184.8万円。タイヤはこれもPゼロ(レース)を名乗っています。
バイクはドゥカティ。パニガーレV4Sというモデルで、価格は358万円。自転車に比べると意外に安い?。しかし、これだけ華があってキレキレの乗り物を揃えられる国は、世界中にイタリアしかなさそう。
スタッドレスタイヤの新製品の発表もありました。その名もアイス・ゼロ・アシンメトリコ。従来のアイス・アシンメトリコ、アイス・アシンメトリコ・プラスから、さらに進化させたということで、「ゼロ」はPゼロから名称を頂いています。
日本向けに専用開発されており、それは日本の冬の路面環境が特殊だからだそうです。一言でいえば、アイスの路面が多いとのこと。日本は、降雪量の多い地域に多くの人口が住んでいて、交通量が多いのが原因で、路面の雪が固められ、磨かれて、アイスバーンになりやすいのだそうです。世界のほかの地域では、積雪が多いのは僻地や山岳地域なので、人口が少なく、そうなりにくい。そのため、日本向けスタッドレスタイヤは、アイス性能の向上が求められています。
技術的には5つの特徴があります。「低ポイドレシオ」、「新3Dサイプ」、「ダウル・サイド・トゥ・サイド・グルーブ」、「スクエアブロック」、「新リキッドポリマー」の5つです。
トレッド面を実際に見たところ。とくに注目は「新3Dサイプ」。サイプとは、スタッドレス特有の波型の細かい溝ですが、表面の見た目ではなく、溝の断面形状が立体的に複雑に彫られています。
その断面形状がこれ。溝の中は、立体的な曲面になっています。サイプが立体形状になることで、接地面の変形が抑えられるなどして、面圧が高まり、剛性も向上。ブレーキング性能の向上とドライ路面でのハンドリング性能に貢献するのだそうです。
(レポート・写真:武田 隆)