オートモビルカウンシル2019

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オートモビルカウンシルが今年も幕張メッセで行われました。東京オリンピックの関係で、今年は夏ではなく、4月5〜7日に開催が早められました。

会場に入るとまず、主催者展示のスーパーカーが3台並んでいます。右の3台、手前からマセラティ・ギブリ、フェラーリ・デイトナ、ランボルギーニ・ミウラです。左手前はヤナセのブースで、長大なメルセデス600プルマンも置かれています。

新たにクラシックカーセンターを設立したヤナセの展示。同センターはヨーロッパ車を中心にレストアを請け負いますが、ヤナセが取り扱った車両に限らないとのことです。正面の展示は、右からメルセデスの600プルマン、600リムジン、300SEラング。600リムジンは故梁瀬次郎氏の愛用車、300SEラングは吉田茂元首相が所有した車両です。タテ目のメルセデスの最高峰が3台並んで壮観でした。

600プルマンは、当時の代理店だったウェスタン自動車が8台輸入して、バブル期にはたぶんもっと多く日本にあったはずですが、その後また海外に出て行ったそうで、今はあまり見ません。600は、かつて全盛期に路上で何度かすれ違ったことがありますが、顔はふつうのメルセデスと相似形で似ているので、すれ違ってはじめて、あ、長い600だった、とわかりました。

メルセデスは300SLも展示されていました。メルセデスの専門店シルバースターのブースですが、昨年8月にはレストア中のばらした車体が置かれていたのが、見事にレストアされていました。今年は開催時期が早かったので、レストアはたいへんだったそうです。

こちらはシトロエン専門店アウトニーズの2台。アミ8ブレークとSMです。アミ8は新車時以上ではないかというくらいのコンディションでした。今年はシトロエンが100周年なので、プジョー・シトロエン・ジャポンも出展を検討していたものの、開催時期の関係もあって惜しくも実現できなかったそうです。

国産メーカーの展示では、今年はホンダが楽しいブースとなっていました。昨年までのホンダ・ブースはちょっとおもしろみに欠けていた印象ですが、今年は模型が置かれていて、来場者が目を凝らして見ていました。精巧な1/4モデルはデザイン部門で、過去のホンダ車を学習するために制作したものを、今回展示したそうです。ちなみにほかの車種は(まだ?)つくっていないそうです。ブースのテーマとしては、MM思想を伝えることで、シティとともに現行モデルのN-VANが置かれていました。MM思想とは「メカミニマム・マンマキシマム」を重視したホンダの設計哲学のことで、ホンダはエンジン屋として名が知られていますが、歴代ホンダ車は室内空間広さの点で光る設計のクルマが多いのも、知っておきたいことです。

マツダ・ブースは、例年力の入った展示になっている印象です。今年はロードスター30周年ということで、歴代モデルが展示されていました。この赤いクルマは一見初代NA型のようにも見えましたが、ボンネットの開き方からわかるとおり、オリジナルです。先行開発段階の試作車両で、実際にこれでカリフォルニア州の路上を走ってテストしたそうです。市販型とほぼ変わっていないのが、驚きです。ちなみに中身はほとんどあり合わせだそうで、サスペンションはSAの初代RX-7なのでストラットで、エンジンはFR最後のファミリアのものだそうです。

こちらはアメリカでロードスターが発表されたときに、同時に会場に展示されたクルマで、フェンダーが張り出すなどしてクラブレーサー的な仕立てになっています。こういう方向のカスタムが、現行のロードスターにもあったらよいのではと思ってしまいます。

会場にはダラーラのロードカーも展示されていました。アトランティックカーズの出展です。創業者がかつてランボルギーニ・ミウラを開発し、現在はレーシングカーのシャシー開発では世界有数の存在になっているという、稀有な本格コンストラクターなので、ロードカービジネスに参入するとなると、やはり注目です。マクラーレンが今や大きな展開をしていますが、このダラーラ1号車のストラダーレは、エンジンは4気筒です。それは逆にストイックなすごみも感じますが、これからの展開も期待されます。

マクラーレンのブースでは、プレスカンファレンスで、オートモビルカウンシル共同代表の加藤哲也さんが、トークショーとして登壇しました。マクラーレンは、近年ホンダと決別するなどF1分野では混乱しているイメージがありますが、トークショーでは加藤氏が歴代モデルの実体験を熱く語り、やっぱりマクラーレンは非凡な存在だと、思い直した次第です。

(レポート・写真:武田 隆)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする