JAIA(日本自動車輸入組合)の主催する試乗会で、乗ったクルマをレポートします。キャデラックはCT5とXT4に乗りましたが、今回はXT4。
XT4は、キャデラックとしては初となる比較的コンパクトサイズのSUVで、全長は4605mm。デザインのタッチは似ていますが、スリムに感じられるCT5と違い、どっしりと安定したデザイン。SUVとして素直なデザインという印象です。
オーソドックスですが、シャープさもあるデザインで、全体のフォルムはタンブルフォームやボディ前後の絞り込みなどで塊感があり、運動性能が良好な印象を抱かせます。
内装はCT5と比較的似ていて、やはり本革のトリムに落ち着いた質感を感じます。ヨーロッパの高級ブランドと比べて、古典的な良さ、骨太な良さがあるように思います。
メーターパネルは全面デジタルのCT5と違い、タコメーター、スピードメーターが、アナログ式として残されています。CT5同様に、ノーマルモード時にパドルでシフトダウンしたら、レッドゾーン手前の6000rpmぐらいをキープしました。
写真は後席ですが、運転席は、走行する車線をはみ出すと、シートの振動で警告を伝えます。音での警告はうるさいので、やはり振動で伝えるのはよいと思います。
さて走りも、悪くないという印象です。山道でも安定しています。スポーティさでも、快適さでも、際立ったことは感じませんでしたが、うまくまとまっている感じ。おそらくとばして走ってもそれなりの運動性能は備えていそうです。
エンジンは2リッターの4気筒で、これも際立った印象はないですが、出力は230ps/350Nmあり、車重は1760kgありますが、十分よく走ります。
試乗車両は最上級にあたるXT4スポーツで、車両価格は653万円。革新性を持ちながらも、安定感のあるデザインや使い勝手で、車格的にも売れ筋のSUVと思います。これもやはり左ハンドルのみなのが惜しまれます。ただ、歴史があり、世界に冠たるキャデラックが、現実的な1台として今ここにあるというのは、喜ばしいことだと思います。
(レポート・写真:武田 隆)