JAIA試乗会 (メルセデスAMG E53 4MATIC+)

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JAIA試乗会のレポート。前回に続いてメルセデスで、今回はAMG E53 4MATIC+の報告です。

ボディはもちろん基本的にEクラスのものです。SクラスとCクラスの中間の存在です。街中で見かけても一瞬あれ?、どれだ?と思うことがあります。

通常のEクラスと比べて、グリルパターンが違い、タイヤサイズも前245/35R20、後275/30R20という太いタイヤを履くので、いかにも走りそうな精悍さがあります。通常のEクラスでは、下のクラスだと標準は17インチです。ただ、バンパー形状がいかつい格上のAMG E63と比べると、それほどワイルドではありません。そのほか、当日は気づかなかったものの、ボンネット形状がAMGでは、ノーマルモデルと異なります。

1980年代風?というか、最近としては珍しくTurboの文字が、外に向かって主張しています。Turboは、新興国とかの若い人にとっては逆に新鮮だったりもするのでしょうか?

エンジンはターボチャージャーのほかに、電動スーパーチャージャーも装着しています。スペック表には出ていないので、当日は知りませんでした。というのも注目すべき新機軸として、直列6気筒ガソリンエンジンと、48VのISGによるハイブリッドがありました。

先代Eクラスにあったメルセデス初期のハイブリッド車では、バッテリー搭載の制約から左ハンドル車のみの設定でしたが、現行のこのクルマは右ハンドルも設定されます。ただし、今でも左ハンドル仕様は残されており、このクルマは左ハンドルです。メルセデスユーザーは今でも左ハンドルを選びたい人が多いようです。

マイルドハイブリッドの48Vリチウムイオンバッテリーは、通常の12Vバッテリーと置換され、12Vバッテリーはトランクルームに追いやられています。なので、右ハンドルが設定可能です。

コクピットデザインは、Sクラスに準じています。Sクラスよりはややシンプルなつくりで、あえて言うならば、やはりSクラスとCクラスの中間的な感じ。でも世代が新しいせいか、Sクラスにより近い感じです。

ステアリングはかなり握りが太めです。センター部分を示す赤いマークが入り、スポーツを感じさせます。

さて走った印象ですが、アダプティブダンパー付きなので、通常のCOMFORTモードで走ると、やや締まった印象でも、とくに硬いというほどではなく十分快適です。メルセデスらしい、Eクラスらしい落ち着いた乗り味です。ただ、どこか全体に若さが感じられます。

SPORT+モードにすると、けっこう締め上がります。エンジン音はCOMFORTでは落ち着いていますが、SPORT、さらにSPORT+モードにすると、バリバリと迫力が出て、アフターファイヤーの演出も頻繁に入ります。ハイテク満載高効率エンジンでも、わざわざ荒削りに演出するのが、現代のハイパフォーマンスカーの、よく考えたらおもしろいところ。

直列6気筒ガソリンとISGモーターによるマイルドハイブリッドは、なにも違和感を感じることなく、とにかくスムーズです。メルセデスのハイブリッドといえば、まずはF1です。F1がハイブリッドになってから圧倒的な強さで勝ち続けています。なので、個人的には、メルセデスはハイブリッドの高い技術を持っているという、刷り込みがされてしまっています。

クルマとしては、意外に肩肘はらずに乗れる感じでした。もちろん若さもあり、スポーティーさはありますが、乗るのに緊張するほどではない。先代のE63では、雨の日の交差点でちょっと踏み気味に加速したら、ずるっとテールが出た経験がありますが、このクルマは4WDということもあるし、そういうワイルドさは感じられません。もちろん今回はあまり踏むようなシーンもなかったですが。

おそらく現行モデルでもE63はV8エンジンを積み、もっとワイルドなのでしょう。ただし4WDです。E53は非常にスムーズな直列6気筒とモーターアシストの組み合わせで、洗練されています。ただし、エンジンだけでも435ps、53.0kgmあるので、2020kgあるとはいえ、本気になれば、相当速いクルマなのはたしかです。

(レポート・写真:武田 隆)

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