毎年恒例のJAIA輸入車試乗会。今回はメルセデス-AMG CLA45S 4MATIC+シューティングブレークです。
ボディとしてはCLAのワゴン版ですが、スタイル重視のスマートなルーフラインで、シューティングブレークを名乗ります。AMGモデルなので、グリルパターンがAMGならではのものになります。
室内ダッシュボードはAクラスとも基本は共通。横長のモニターパネルが立つのは、最近の標準的なデザイン。ジェットエンジン型のエアコン吹出口はAクラス系でおなじみのもの。
ステアリングは、上下を除く部分がディンプル加工。スポークは3本タイプですが、それぞれ「ツインスポーク」となっており、ボタン類を多く並べられるようになっています。運転支援システムその他のスイッチをステアリング上に多数並べるのが昨今のトレンドで、その機能と、スポーティな雰囲気を両立したステアリングホイールです。
センターコンソール中央の窪みは小物入れ。マイナーチェンジ前はタッチパネル機能を持つモニターパネル操作用のレバーがありましたが、それを廃止して”単なる”小物入れになったという経緯です。性能が向上した音声操作を、積極活用するように……ということなのでしょうか。
シートはAMGなので、サイドサポートの充実したスポーツシートですが、それほどタイトではなく、日常ふつうに座れそうです。オレンジ色や、アルミ調パネルを組み合わせた内装が、スポーティで洒落ています。
今回、このクルマの性能を引き出す場面はまったくなかったですが、走った印象は、さすがにAMGだけあり、メルセデスにしてはスポーティな乗り味という感想です。適度にきびきびとした動きでした。ステアリング剛性が非常に高く、上質感とタフな信頼感の塊という感じです。
この車両はCLA 45Sで、AMGモデルとしては35よりも強力なエンジンを積んでいます。2リッターの4気筒で、421ps/500Nm。最大トルク発生は5000~5250rpmというのでかなり高回転型。残念ながらその領域は体験できず。サーキットで本領を発揮することでしょう。
ドライブモードはコンフォート、スポーツ、スポーツ+、さらにプロがあります。スポーツ+を選んでも、サスペンションは硬めにはなりますが、スパルタンというほど硬くはならない。負荷をかければさらに締め上がるのだと思いますが、常にスポーツ+で乗っていてもよいのではというくらい。そしてコンフォートではまったくふつうの快適さになります。
タイヤはミシュランのパイロットスポーツ4で255/35ZR19。十二分に弩級のスポーツモデルですが、EV各車に比べればおとなしいサイズのタイヤとも思えてしまう。赤い大型のブレーキパッドが目立ちます。
全長4695mmはセダンのCLAと変わらず。車重はやや重く1720kgですが、全高は1415mmで、やはりセダンと変わらず。そのためワゴンボディであっても、セダンのような身のこなしと感じました。
駆動は4WD。価格は車両本体で1057万円。“A”のシリーズとしては高価ですが、AMGでしかも実用性のあるブレークということで、メルセデスの中では必ずしも高くないというべきなのかもしれません。
(レポート・写真:武田 隆)