JAIA(日本自動車輸入組合)の主催する試乗会で、乗ったクルマをレポートします。今回は、3台乗ったメルセデスの大・中・小セダンのうち、小のA250eセダンの印象です。
最初に乗ったのはA250 e セダン。FFのAクラスに純粋なセダンが設定されたのは、現行の4代目が初ですが、セダンとしてバランスのよいプロポーションです。末っ子の「A」とはいえ、全長は4580mmあるので、当然かもしれませんが。メルセデスらしい端正さと、下位モデルらしいひきしまった感じが両立。
後方から見ると、ややずんぐりした印象で、やはりAクラスらしいなとは思います。ひとつ上のCクラスとはやや隔たりがありますが、そのぶんスポーティで、軽快感があります。
内装は、この車両は赤を使っていて、スポーティな印象。ジェットエンジン風のエアコン吹き出し口のデザインが、より進化しています。インストルメントパネルは、メインのメーターパネルとセンターパネルが横長の一体型で、同時期の先代Sクラスとも共通なスタイル。ただし先代Sクラスのようなナセルのひさしはなく、タブレットPCを立てて置いたようなシンプルさ。今はむしろこちらがトレンドで、Sクラスも新型はそうなっています。
メーター部分は、液晶が精緻なのかデザインが精緻なのか、表示が緻密で、やはりプレミアムブランドらしさを感じます。日本語などの情報量が多い表示のときは、やや細かすぎて煩雑にも見えましたが、やまぶき色のデジタル数字など、独特の色使いが印象的です。
走った印象としては、スポーツモードを選んで走った時間が長かったせいもあるのか、プラグインハイブリッドらしさはあまり感じず、ただパワー、トルクは十分。1.3リッターの4気筒は、ややフィーリングに直噴らしいザラザラ感があります。
サスペンションはしなやかで、さすがメルセデスらしいコンフォートさ。プラグインのため、車重はAクラスなのに1690kgあるものの、モーターアシストでトルクが十二分にあるから力不足はまるでなく、動きもスポーティです。フランス車勢のように、タイトな山道でゆっくり流していてもいかにも楽しいという感じではないですが、安定しています。ただやはり速度が上がってからが本領発揮ではないかと思った次第です。ベースの価格は600万円。
(レポート・写真:武田 隆)