アウディA3に試乗

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アウディA3とS3に試乗しました。今回はA3についての報告です。

まずはA3から。フロントマスクは近年のアウディの傾向に従ったもの。なかなか印象が強めです。グリルは先代A3より大きくなった印象で、グリルパターンがハニカムになっています。細部の意匠は、グレードにより差異があります。このモデルは、30TFSIアドバンスドで、1stエディションなので、通常の17インチではなく18インチを履いています。

ブリスターフェンダーが張り出しているようにも見えますが、それほど目立つわけではなく、適度に足腰の安定感があるように見せています。それよりも脇腹(?)の彫り込みがけっこう深く、ボディサイドの立体感はかなりあります。

先代よりもダイナミックなデザインが、フロントマスクをはじめ各部に見られるものの、基本的にはセダンとして優等生の佇まいを見せています。あくまで実用的セダンとしての役を果たしています。

前後席はこのような感じです。

ダッシュボードのデザインは、先代から一変しています。やはり最新のアウディ流になっており、外観と同じように直線基調でエッジが効いたものになっています。変速操作はパドルもありますが、メインのコンソール上のものは、ついに前後に押すか引くかのスイッチ方式になりました。

エンジンは3気筒1リッター・ターボ、110ps/200Nm。48Vのマイルドハイブリッドで、ゴルフ8と同じパワーユニットになります。

マイルドハイブリッドのスターター兼モーター/ジェネレーターが見えます。ベルト駆動なのでエンジンの再始動などもスムーズです。モーターのアシストは、文字どおりマイルドであまりハイブリッドらしさはないものの、発進の力強さなどで役に立っています。

さて、乗った印象ですが、第一印象としては意外に “硬質”な感じを受けました。先代A3の記憶が必ずしも定かではないですが、もう少しアウディらしくしっとりしているものと思って乗り込んだのでした。乗り味が意外に硬く感じたのは、ひとつには、タイヤが通常の17インチではなく、18インチを履いていたことがあると思います。もうひとつは、ステアリング形状です。断面形状が単純な丸ではなく、握りを意識した変形断面になっていて、スポークは弾力性があまりないタイプです。比較的スポーティー志向のように感じました。

結果的に、ダイレクト感のあるスポーティーさが目立ったようにも思います。基本的には、緻密なつくりの上質感がしっかりあります。ワインディグを走ると、シャシーのバランスがよいのか、安定感があり、くせがなく、たいへん走りやすい。シフトスイッチで通常のDモードからSモードに変えられますが、Sモードだとステアリングが重くなり、アクセルペダルに対する反応もよくなり、山道では断然よいです。

3気筒エンジンは、パワーは十分あるという感じで、Sモードでかつ、M(マニュアル変速)を選択していたと思いますが、箱根外輪山のけっこうな登りを行くときも、力不足を感じませんでした。

エンジンの音は、3気筒なので、まず気になるところですが、遮音が充実しているので、そもそも気筒数をあまり感じさせません。ゴルフよりは遮音は充実しているという話もあるようで、ゴルフのほうがむしろ、踏んで走るときに、快音を楽しむことはできると思いました。

ゴルフのほうが、シンプルな良さがあり、もちろん相当上質でもありますが、A3のほうが、いっそう作り込んでいて、上級感もある、というのが、月並みですが、違いだと思います。A3の場合、セダンもあるので、また違ってきます。ただ乗り味が、今回乗った18インチだと少し硬めです。そのぶん活発さがありますが、17インチか下位グレードの16インチが、A3としては本来は合っているのかもしれません。

(レポート・写真:武田 隆)

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