クルマの歴史

日本のオート三輪車史

編 者:GP企画センター

本体2,000円+税

A5判/197頁/978-4-87687-408-8/2023年8月発売

日本の高度成長期に、懸命に働く人々のエネルギーを象徴する輸送機関であったオート三輪車は、廉価で積載量を多くするという要望に応えるべく参入メーカーそれぞれの個性に応じて、進化を重ねていった。本書では、ダイハツ、マツダ、くろがね、ヂャイアント、オリエント、サンカー、アキツを中心として、戦前の動向を踏まえて詳細に紹介する。巻末には三輪自動車に関する生産・届出台数、登場する車種の主要索引などを収録。

※本書は2021年刊行の『日本のオート三輪車史』のカバーデザインを、関連書である2023年7月刊行の『小型・軽トラック年代記』と統一することで、愛蔵する楽しみにも適した、新装版です。

目 次

日本特有の輸送機関としてのオート三輪車
1.四輪車を上まわるオート三輪車の生産台数
2.オート三輪車の経済性と技術的進展
3.需要の増加と大型化の進行
4.販売台数の推移とメーカーの盛衰
5.四輪トラックとの競合時代に突入
6.オート三輪車のさらなる高級化と軽三輪車の台頭

常に業界をリードしたダイハツ(発動機製造)
1.ダイハツの創業とオート三輪車への進出の経緯
2.戦前のダイハツのオート三輪車
3.オート三輪車の隆盛と戦時体制の時代
4.戦後の再スタート
5.その後の改良と発展
6. 三輪乗用車ダイハツBEE の登場
7.独立キャビンのオート三輪車の登場

トップメーカーの貫禄と実績・マツダ(東洋工業)
1.オート三輪車メーカーとしてのスタート
2.軌道に乗るオート三輪車の営業
3.戦争による生産減少と兵器生産
4.戦前の乗用車開発計画の挫折
5.戦後のオート三輪車の生産再開
6.新しいオート三輪車の展開
7.生産設備の革新と販売好調の好循環
8.オート三輪車の高級化
9.マツダの小型四輪トラック及び乗用車の開発

戦前からの伝統を誇るくろがね(日本内燃機)
1.ニューエラの登場
2.新しい組織で国産エンジンの開発に着手
3.戦前のくろがね号と日本内燃機
4.戦後のきびしい再出発
5.東急系列の企業として再出発を図る

三菱の一部門としてのみずしま(新三菱重工業)
1.三菱と自動車の関係の歴史
2.終戦による新規事業の模索
3.意欲的なみずしまのオート三輪車
4.三菱重工業の分割とその後の展開
5.オート三輪車のデラックス化の推進

独自性を発揮したヂャイアント(愛知機械工業)
1.航空機産業からの転身
2.ヂャイアントの特徴は水冷エンジン

関東を中心に活躍したオリエント(三井精機工業)

小資本の新興勢力だったサンカー(日新工業)

川西航空機を前身とするアキツ(明和自動車工業)

オート三輪車の誕生と戦前の動向
1.オート三輪のことはじめ
2.本格的なオート三輪の登場と全国的な普及
3.自動車としての機能を備えたオート三輪車の登場
4.国産化によるオート三輪車の隆盛
5.戦前のオート三輪のピークは1937年(昭和12年)
6.ダットサンの祖先のクルマも三輪乗用車だった

生産台数の推移
【参考】自動車(新車)新規登録・届出台数の推移
収録車両 主要索引