今年も東京オートサロンが盛大に開催されました。初日プレスデイにカンファレンスを中心に回ってきましたが、見応えのあったトヨタブースで気になったものを報告します。
トヨタは朝一番のカンファレンスでした。今年もGazoo Racingのプレジデント、友山茂樹氏がスピーチ。今年の展示の主役はスープラでしたが、自身が乗っていたという、チューニングしたスープラの写真も披露。
これがそのスープラですが、最初は通勤時に守衛に追い返されそうになったそうです。たいへんなスポーツカー好きということがよくわかりました。
WRCのヤリス。裏の方にひっそり置かれた感じですが、昨年の世界チャンピオンです。
その横にエンジンが置かれていました。今回の隠れた目玉的展示といえるかもしれません。
エンジンにはTMGの刻印。エンジン本体が小さいのが印象的です。
さらにその脇に置かれていた感じのTS050。2018年のルマン優勝車両です。ゴール後の汚れがそのままで、コーティングをスプレーして定着させています。
トヨタは昨年WRCチャンピオンとルマン優勝と、このうえない成果をあげました。さらにこのイベント会期中にダカールラリーでもハイラックスがトップを走り、結局優勝しました。会場にいたGazoo Racingの方の話では、ダカールのマシンは、スポンサーしただけのようなもので、日本からは開発にはタッチしていないとのことです。
ちなみに友山氏のスピーチでは、ルマン優勝に貢献したのが、トヨタ自動車の有名な「改善」のノウハウだったと説明がありました。これはルマン優勝後に豊田章男社長もコメントを出していたので気になっていたのですが、会場にいた方に聞いたところホントにそうだったのだそうです。
つまり2017年のルマンで惜敗して、その直後、東富士で開発を指揮していた村田久武氏が、ドイツのTMGの社長に就任。そこで日本のトヨタ社員なら誰もが身につけている「改善」のノウハウ、思想を徹底的に実践したのだそうです。
デンソーのブースにもTS050が置かれていました。あとで写真をよく見たら同じカラーリングでした。中身があるのかわかりませんが、ライトは点灯しています!
ちなみにトヨタブースの優勝車は2018年唯一の新造車だそうで、それが6月の優勝後すぐに動態保存で召し上げられてしまったので、ちょっともったいないとのこと。前年の2017年には3台新造していたそうです。もちろん仕様は揃えているようですが、バッテリーの毎年の進化が著しいようです。そのバッテリー、東富士のモータースポーツ部門で、セルの電解液から開発しているというので、ちょっと驚きでした。
(レポート・写真:武田 隆)