BMW M235i xDriveグランクーペの印象

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BMW 2シリーズ・グランクーペに試乗した印象です。306psを積むMモデルのM235i xDriveです。

2シリーズとして初めてFFを採用した2シリーズ・グランクーペ。メカニズムは1シリーズとほぼ共通です。

こちらが1シリーズ。内装も含めて車体前半は、おおむね共通です。

ホイールベースも1シリーズと同じ2670mm。ただリアを伸ばしているので、全長は200mm程度長く4540mmあります。BMWが上位モデルから展開しているグランクーペは4ドアクーペですが、一番下の弟分になる2シリーズの場合、全長が短いので、ルーフ後半が下がっており、ヘッドルームは少し犠牲になっています。居住性のよい4ドアセダン形状をとると、この全長だと寸詰りになりがちなので、グランクーペにしたのかもしれません。メルセデスはAクラスにセダンも追加しましたが、BMWからは2シリーズ・セダンが今後出てくるのかどうか。

テールランプのデザインなどは、BMWとしては新しさが感じられます。左右がだいぶ絞り込まれている印象。

後席は、膝スペースはなんとか確保されていますが、頭上スペースに余裕がありません。この車両は電動サンルーフだったこともあり、天井に出っ張りまでありました。後席に大人は乗れますが、快適には過ごせません。ただそれでも後席をまず確保できたのは、横置きエンジンFFプラットフォームを採用したからです。

リアの荷室はトランクですが、大容量が確保されており、2ボックスハッチバックの1シリーズよりも大きい。通常一人か二人で乗って使うなら、後席も左右ドア付きの荷物置き場として使えるので、2ドアクーペよりは利便性が高いと思います。

前席まわりは1シリーズとほとんど同じ。最下位クラスの1・2シリーズでもメーターパネルは液晶化されました。ナビのサブ画面として使うこともできます。タコメーターは右側にあり、反時計まわりに回ります。ステアリングはMスポーツのもので、例によってソフトスキンの“太巻き”。女性には手に余るというくらいの太さですが、感触はスポーツステアリングとしてよいし、洗練されています。

走りについては、市街地を走っただけなので、ほんのさわりの印象ですが、申し分のない洗練されたものです。ただM235i xDriveは可変ダンパーもついているので、ベーシックモデルとはちょっと格が違い、重厚な落ち着きがあります。ノーマルモードでも引き締まってはいますが、目地段差などでもショックがなく、不快感がありません。ステアリングが太いなどいろいろ装備も立派で、3シリーズと言っても納得しそうな乗り味です。そのかわりお値段もオプションなしで665万円しますが。

エンジンは横置きなので、残念ながら4気筒ですが、306psという高出力。サウンドもいろいろと迫力十分で、高出力エンジンだという臨場感にあふれています。トルクも450Nmあります。

コーナリングなどはほとんど試せませんでしたが、踏めば巻き込んで曲がるような感じがあり、4WDならではです。1シリーズで体験したかぎり、ベーシックなFFでも活発な走りができます。本当にドライビングを楽しむのが第一目的なら、FRのまま残されている2ドアクーペ系モデルのほうが、やはりお勧めと思いますが、FF系モデルでもスポーティさを十分楽しめます。

2シリーズ・グランクーペは、日本の広告では「パックマン」を起用しています(赤紫のクルマはM8グランクーペ)。1シリーズでは「天才バカボン」なので、最近のBMWは前衛的です。メルセデスGLAの「スーパマリオ」あたりに触発されたのでしょうか。

(レポート・写真:武田 隆)

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