スバル・レヴォーグ・レイバックの印象

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スバル・レヴォーグ・レイバックの印象

レヴォーグ・レイバックに試乗した印象です。レヴォーグの地上高を上げたうえ、デザインをSUV風に少し変えています。

レヴォーグとの主な違いは、ホイールアーチの黒い縁取りと、フロントマスク。ボディカラーも違うようです。

フロントグリルまわりは、レヴォーグとまったく違います。現行インプレッサ/クロストレックと同様に、グリル内のシルバーのウィング状モチーフをグリルの外まで伸ばしています。その結果とくにレイバックでは、グリルのヘキサゴン形状が目立たなくなっています。「ヘキサゴングリル」は、近年「スバルの顔」となるように、進化させてきたものなので、そのアイデンティティが崩れないのかと、ちょっと気になります。

それを別にすればこのフロントマスクは、スマートで存在感のあるデザインのように思えます。レヴォーグはグリルが前につき出た印象ですが、レイバックはさらに肉を盛ったうえで、なめらかな立体形状にしています。

地上高を高めて樹脂パーツを各部に入れていますが、SUV風のタフな印象(スバルのいうところのラギット)は控えめ。ほかのスバルSUV系車と比べると、レイバックは都会派仕立てなのが、スバルとして新しい展開です。

路上でレイバックはずいぶん多いと感じます。2023年10月デビューなので、販売は好調なのでしょう。デビュー当時に聞いたところでは、レヴォーグと同等の販売台数のイメージだそうでしたが、おそらく概ねそうなっているのでしょう。

レヴォーグは元来、北米向けに大きくなったレガシィ(ワゴン)の穴埋めに、日本向けに誕生したモデルです。この10月に、2025年3月でレガシィ・アウトバックの日本での販売終了がアナウンスされましたが、レイバックはまさにその後釜になるのでしょう。

荷室容量は、あの車体の大きなレガシィ・アウトバックと、同等。今や貴重なワゴンです。通常のレヴォーグは「ワゴンのスポーツカー」というコンセプトで、アスリートっぽさが強いスタイルですが、SUV風に装ったレイバックは、それが少し緩和されて、ふつうの人にもなじみやすい気がします。

走った印象は、レヴォーグとそう大きくは変わらない印象です。今回はあまり感じませんでしたが、乗り味はレヴォーグよりややマイルドですが、ステアリングフィールがシャープなのはレヴォーグ同様です。今回は、重心の高さから、心なし落ち着かない感じは受けました。

レヴォーグのボディは、さすがにワゴンであるうえ、オーバーハングも長めなので、ワインディングでの第一印象は、軽快感がなく、曲がるのにマスが大きめという感覚がありました。ただ、さすがにシャシーはしっかり仕立てられているので、慣れてくると、特性に合わせたカーブの進入などで、重くて鈍い感じが気にならず、よくしっかり曲がる、という印象に変わりました。しっかり走れば実によく曲がっていく感じです。

さすがにスバルなので、こだわって足回り、車体を仕上げているようです。曲がりくねった道でもよく走れますが、やはりいちばん気持ちいいのは、曲率の大きなカーブが続くような、悠然と流せる道です。これは本当に気持ち良い。

CB18エンジンはスムーズです。1.8リッターでも十分に低速からトルクがあります。CVTもスムーズです。WRXと違い、段付き変速のときは少しもっさりしていますが、ふつうに走るぶんには十分です。

CB18の排気は「等長等爆」をやめて、昔のスバルと同じ「不等長」になっています。今回、昔ながらの「ボロボロ音」が聞こえないか観察しましたが、窓を開けてもそれらしい排気音は感知できません。車内では快音がある程度聞こえますが、水平対向らしい音かどうかは、なんともいえません。CB18は、高出力ではないので、万人向けのエンジンとして静かないっぽう、スバル車なのでやはり、スポーティな軽快感も意識されているように感じます。同じエンジンを積むレガシィ・アウトバックでは、遮音がもっと効いてより静かな印象で、それに比べるとレイバックでは、エンジンの快音をもうちょっと楽しめるかと思います。

(レポート・写真:武田 隆)

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