ムーヴ・キャンバスに試乗

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新型ムーヴ・キャンバスに試乗しました。デザインが肝要なクルマですが、DNGAプラットフォームを採用し、中身も大幅に進化しています。

今回のムーヴ・キャンバスは2代目。先代は2トーンカラーが売りでしたが、新たにモノトーン専用の「セオリー」が設定されました。

男性ユーザーにもアピールするような落ち着いた雰囲気。ボディカラーがシックで渋い。メッキパーツもやや光沢を抑えています。

ベルトラインのクロームの帯。ボディ色がモノトーンであるかわりに加飾に凝ったとみえます。光沢が抑えられて見え、かなりいい感じでした。

「セオリー」の室内はやはり暗めの色で、落ち着いています。

「セオリー」のシートはネイビー。これもなかなか目を引く色です。このシートは生地が粗めのファブリックが滑りを抑え、フィット感は秀逸。

こちらは2トーンカラーの「ストライプス」の室内。明るい白が基調。

メーターパネルはシンプルながら適度にしゃれている。立派なタコメーターが付くのはある意味今どき珍しい。意外に「正統派」的です。

ダッシュボードにはものが置ける台をデザイン。コロナで車内でものを食べる機会が増えたことに対応したとのこと。コロナがクルマを変えた!

これは旧型。メーターパネルを移動し、モニターパネルを上に上げた以外、各部品の基本的位置関係は同じですが、それによって広い台を設けたわけです。

「ストライプス」は引き続きファンシーな色合い。並べて比較しないと旧型との違いがわからない感じ。キープコンセプトは成功の証し。

これは旧型。フロントエンドの塗り分けが違います。旧型のほうが口(グリル)が笑って見えます。「鼻」も旧型はかわいかった。

リアはナンバープレートがバンパーに移動。ランプはフロントだけでなくリアも丸いのが特徴。

ダイハツ車の上位グレードではLEDのアダプティブランプになっていますが、このモデルは丸型ライトが特徴なので、プロジェクター式LEDを採用。

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走った印象です。DNGAになって旧型よりボディ剛性が上がり、サスペンションの基本性能も向上しています。旧型よりも走り重視、操縦安定性を重視している面があるので、心持ち足はやや引き締まった感はありますが、基本はやはりコンフォートで、軽としてもソフトな部類。乗り心地は快適です。

タントよりも軽く、車高も低く、スライドドア部に剛性に有利なピラーがあるので、走りの面では優れていると思われます。かわいい顔をしたクルマでも、しっかり体幹アップのトレーニング。これはターボ車を加えて、男性向け対応を強化したのも大きいと思います。ただ、もちろん運転が得意でない人向けの運転しやすさも、前以上に追求しているとのこと。パワステのアシストのセッティングなども追求しているそうです。とにかく総合的に、運転しやすい。

旧型では、夜間に交通量の少ない山間部の国道を走ったとき、さすがにコーナー進入で少し不安感を感じました。新型では、同じようには走っていませんが、カーブでも非常に安定していました。タイヤはちょっとがんばるとすぐに鳴るので、そもそもあまり負荷(横G)はかかりませんが、そんな状況でも安定しています。ステアリングが正確。近年のダイハツ車は操縦安定性にこだわっていますが、そこを根本的に改善したDNGAでは、いっそうよくなり、さらにDNGAの3台目ということで、より改善をしてきているようです。

NAもターボも同じ足回りです。NAでもふつうに走るぶんには、まったく力不足を感じない。坂道の登りでも。ただ登りで強く加速しようとすると、エンジン回転も上がるのでつらさは出てきます。

ターボの場合、ふつうに走るぶんにはより静かで、加速しても余裕があります。ターボでは、ダイハツ独自のD-CVTを採用しています。変速比幅が広いので、高速道路などでも余裕を感じるはずです。ベルトと遊星歯車の2系統を連動させたCVTなので、その連動には少し難しさがあるそうで、従来はややそこにくせが指摘されていて、そこをなくすようにしてきたとのこと。今回たまたま試乗中に、重箱の隅をつつくような、ふつうではしないようなアクセルの踏み方で、少しくせがある部分を感じましたが、ふつうは気にならないか、乗り慣れれば自然に気にならなくなる程度という感じです。

スタイリングも乗り味も、ほとんど言うことなし、というのが試乗した感想です。とくに「セオリー」。クルマ好きは、だいたい欧州車とかスポーツモデルが好きなものですが、そういう視点から見て、「ちょっといいな」と思えるクルマだと思った次第。適度にファニーで適度にシックで、おじさんが軽に乗るのに、ちょうどいいさりげなさといったところ?

個人的には四角いトール系のデザインにはもとから抵抗があり、しかもこのところSUVやクロスオーバーにもちょっと飽きてきた感?もなくはないのか‥、ある意味「オーソドックス」で、ほどよくリラックスしたこのクルマに魅力を感じました。

(レポート・写真:武田 隆)

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