JAIA輸入車試乗会2023(プジョー・リフター ロングGT)

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今回試乗したプジョー・リフター・ロングは、2020年11月に日本に導入されたリフターの全長とホイールベースを延長して、3列シートの7人乗りとしたものである。日本では導入されていないが、プジョー・パートナーという商用車はリフターの姉妹車にあたる。ボディサイズは、全長4,760mmでリフターより355mm、ホイールベースは2,975mmで190mmそれぞれ長くなっているが、車両重量の増加は50kgにおさえられているという。3列目のシートは最大130mmの前後スライド量があり、取り外しもできる。荷室の最大容量も大きく、リフターの2,120リッターに対してリフター ロングでは2,700リッターとなる。運転席に座ると、小径のステアリングとダイヤル式のセレクターなどが目に入るが、同時に試乗したEV車などと比べるととてもシンプルな操作系で好感が持て、前席シートも充分な大きさがある。ただし、リヤシートはしっかりすわれるものの、あまり大きくなく、両親と子供2人の4人家族などの場合がちょうど良さそうである。デザインは、商用車とボディを共用するだけあって、機能を優先したような割り切りの良さが感じられる。

実際に走り出すと、スムーズな小排気量のエンジンを最大限活用しながら走る楽しさが味わえる。これには電子制御式8速ATのスムーズな変速にも起因していると感じられた。ステアリングフィールは、スポーツカーのような直進性はない分、穏やかな性格でありながら、山道のようなところでは、ミニバンであることを意識させないほど、思った方向に曲がってくれるような気持ちよさがあった。ただ、1500ccターボ付きディーゼルエンジンは96kW(130ps)で決して出力の大きいものではなく、同時に試乗したEV車に山道でついていこうとすると、フルスロットルにする場面は少なからずあった。大きなパワーで余裕の走りをしたい方には好まれないかも知れないが、小型軽量車としての良さも充分に感じられ、これは好みの分かれるところと思う。燃料消費率はWLTCモードで18.1km/L。メーカー希望小売価格(消費税込)は4,550,000円。

(レポート:山田国光)

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