2022年のオートサロンは、サプライズ的な展示が多くありました。気になった展示を、紹介します。今回はルノーとHKSのブース。
ルノー(とアルピーヌ)のブースは、3台のクルマが置かれたシンプルなものでしたが、ルノーもサプライズがあり、見ごたえのある展示でした。サプライズはこのクルマ、アルカナ。クーペSUVのハイブリッド車です。
ガラス越しに見る室内は、ステアリングが意外にスポーティ。R.S.ラインというグレードのようです。
バッテリーは容量の大きなものが最後部に置かれています。プラグインでなくかつマイルドハイブリッドでもないフルハイブリッドは、輸入車では現在ほかにないということで、“ニッチ”をついた形のルノー・ハイブリッド。
メインモーター+スターター兼用ジェネレーターを併用。さらにクラッチのかわりにドグクラッチを使うのがユニーク。F1で培われた技術が売りで、走りがよさそうでもあり、非常に興味深いものがあります。
ブースにはハイブリッドシステムが展示されていました。とにかく既存のハイブリッドとは違うシステムなのが興味深いところ。
さらにその横にはF1が。今のF1は完全なハイブリッドであり、その技術が市販車に生かされているから、そのPRのために展示車両がヨーロッパから送り込まれたわけです。ただこのF1は昨年以来、アルピーヌになっており、それもニュースなわけで‥。
F1マシンをはさんで、ルノー・アルカナの反対側には、アルピーヌA110Sが展示されていました。F1はアルカナとA110の両方のPRを兼ねていたようです。一石二鳥でウィットに富んでいて、ルノーらしいと思った次第。
HKSのブースでは、車両としては、トヨタの新旧86とGRヤリスが置かれていました。この十数年、チューニングカー市場は縮小していましたが、近年は上り調子だとのこと。やはり86/BRZや、ヤリスなどのスポーツモデルが出てきたことが大きいようです。ちなみに86をチューンするユーザーは、もちろん多いものの、GRヤリスは車両価格が高いせいもあって単価の高いチューニングを行うオーナーが多いのだそうです。
近年の傾向としては、旧車のチューニングも盛り上がっているそうです。旧車の車両価格がこれだけ高価になってくると、チューニングもまた本格的になるということでしょうか。この展示はRB26を素材にしたエンジン。このほか海外市場の伸びも目立っているとのことでした。
(レポート・写真:武田 隆)