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多摩川スピードウェイ観客席跡の新「プレート」設置及び観客席移設のお披露目会が行なわれました。その様子をお伝えします。(レポート:小林謙一)

多摩川スピードウェイ観客席跡の新「プレート」設置及び観客席移設のお披露目会が行なわれました。その様子をお伝えします。(レポート:小林謙一)

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多摩川スピードウェイの観客席に使用されていたコンクリート部分の解体作業が終了、2022年7月2日(土)に多摩川スピードウェイの会の副会長、小林大樹氏が中心となって進められていた旧「プレート」の移設ならびに新「プレート」の設置が実現したことを祝うため、同会のメンバーと共に有志の方々、報道関係者などが集まりました。




上段の写真は実際に観客席として使用されていた頃のもので、1938年の第4回全日本自動車競走大会のときのもの。中段の写真は解体前のコンクリートの部分。80年以上も前にレースで使用されたコンクリートの建造物が残っていることは、世界的にも非常に珍しいと聞いています。近年は、「産業遺構」としての歴史的な価値も叫ばれていたところでした。下段は現在の写真で、観客席はすべて取り除かれて土手に戻されて、歩道部分は以前よりも広げられています。

新「プレート」は、旧「プレート」と並べて設置されており、コンクリートでできた当時の観客席の一部(3席分の座面部分)が残されることになり、そこに旧「プレート」とともに新「プレート」は設置されています。


3席分が残されて移設された観客席跡と、設置された新旧の「プレート」。


写真左は、2016年に設置された旧「プレート」。右は今回製作された新「プレート」です。多摩川スピードウェイに関する歴史などが英文と共に記されています。どちらも多摩川スピードウェイの会によって製作され寄贈されたものです。

当日は、東京の気温が30℃を越える炎天下の中で、お披露目会は午後1時30分から行なわれました。最初に会長の片山光夫氏から当日集まった数十名の方々に挨拶が述べられ、その後新旧の「プレート」移設・設置の交渉からほぼ全ての作業で尽力された小林大樹氏が、回想などを話されました。


多摩川スピードウェイの会のメンバーらによる記念写真。

小林大樹氏によってスパークリングワインやお茶などの冷たい飲物などが配られて、参加メンバー全員で“乾杯”が行なわれ、それぞれのメンバー同士は会話が弾み、久しぶりの再会を楽しみました。右端が片山光夫会長、左端が小林大樹副会長。

以下に、これまでの経緯がわかる記事を紹介します。

『クルマの歴史的遺構が消える!「多摩川スピードウェイ」跡地問題に思う』
https://www.webcg.net/articles/-/44958

『消えゆく多摩川スピードウェイ遺構に往時のチャンピオンマシン再び』
https://www.webcg.net/articles/-/45226

弊社でも、この観客席のコンクリートの一部を保管しています。旧車のイベントなどで展示していますので、ご興味のある方は、弊社のブースにお立ち寄りください。


写真のコンクリートブロックは観客席の部分の一部を切り出したものです。本来は下に玉じゃりとコンクリートがベースとして残っていましたが、展示のために下面部分を水平にカットしてもらっています。座面は長い年月を経たため、コンクリート部分は少し削れており、玉じゃりが露出して凹凸があります。中央にある四角い穴は何のために設けたものか、現段階ではっきりとしたことは不明で、諸説があるようです。