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【新刊情報】『増補改訂 名作・迷作エンジン図鑑 その誕生と発展をたどる』を2025年7月下旬に刊行します。

【新刊情報】『増補改訂 名作・迷作エンジン図鑑 その誕生と発展をたどる』を2025年7月下旬に刊行します。

このたび弊社では、『増補改訂 名作・迷作エンジン図鑑 その誕生と発展をたどる』を2025年7月下旬に刊行します。

本書の原著となる『名作・迷作エンジン図鑑』は2013年に初版を刊行いたしました。著者である鈴木孝先生は、自動車メーカーで長年エンジン開発に携わり、2011年には日本自動車殿堂に殿堂入りされています。そして、エンジンを開発するにあたり新たな技術を生み出すには、先人の辿ってきた道を知ることが重要で歴史に学ぶことが大切であると、常に語っておられました。本書は、そのような知見のもと、世界の様々なエンジンの中から時代を築いた名作エンジンと個性的なエンジンを選び、国内外の博物館に出向いて調査、著者自らが描いたイラストとともにわかりやすく解説した書籍として、多くの方々にお読みいただき、版を重ねてまいりました。編集部としては初版から10年以上が経過したこともあり、内容のさらなる充実を目的に増補をしたいと考えておりました。著者である鈴木孝先生がすでにお亡くなりになっていることもあり、編集部ではご遺族と相談し、ロングセラーの初版に、やはり鈴木孝先生の2017年刊行の著作である『古今東西エンジン図鑑』に収録された全27編を各項目に入れ込み、2冊分の内容を盛り込むことで、エンジンの草創期、産業用、自動車用、航空用、舶用、戦車用、機関車用、汎用など、様々なエンジン開発の誕生の経緯や背景を、この1冊で知ることができるようにいたしました。増補改訂版の製作にあたり、内容の再確認と図版番号や参考文献番号の表記も整え、エンジンの種類別に便利なツメをつけ、どの項目からでも読めるようにしました。また、この大幅な増補により本の厚さも2倍近くなることをふまえ、ページがほぼ180度開くPUR製本を採用して読みやすさに配慮しました。
鈴木孝先生は、技術者をめざす学生の方々、技術者として開発に従事されている方、そしてエンジンについて興味をお持ちの皆様のことを念頭に、なるべく平易な文章でご執筆されていました。そのような方々にお読みいただいて、エンジンが誕生した経緯、そこに込められた技術や開発者の思いを知っていただくことは、まさに鈴木孝先生の願いであり、編集部としてもこれほどうれしいことはありません。

グランプリ出版 編集部

『増補改訂 名作・迷作エンジン図鑑 その誕生と発展をたどる』
著者:鈴木 孝
仕様:A5判並製/464ページ
定価:4,180円(本体価格3,800円+税)
ISBN:978-4-87687-431-6

目次

序文 過去の技術に学ぶ大切さ/飯島晃良(日本大学理工学部教授)

はじめに

■草創期
第1章
人類が火を手に入れた
エンジンの原点はプロメテウス?

第2章
水くみを命じられて作った人類初のエンジン
ホイヘンスのエンジン

第3章
まるで近代芸術の奇妙なオブジェ
セイヴァリエンジン

第4章
初の実用内燃機関の燃料はシダ植物の胞子
ニエプスのエンジン

■産業用
第5章
天秤棒を用いてポンプを作動
ニューコメンエンジン

第6章
55トンの天秤棒を付けた
ワットの蒸気エンジン

第7章
初めて商品となった内燃機関
ルノワールのエンジン

第8章
石油に替えて石炭で回した
ディーゼルエンジンとジェットエンジン

■自動車用
第9章
高速2輪馬車
チャリオット

第10章
あっちこっちから悪口の的となった
キュニョーの蒸気自動車

第11章
ボイラーマン泣かせ
蒸気バスエンジン

第12章
創業から終焉まで空冷で押し通した
フランクリン

第13章
R・ディーゼルが作れなかったディーゼル自動車
ザフィアエンジン

第14章
フランス陸軍が発想した
木炭自動車

第15章
ラバウルで捕えられてジープに見染められ?
ガス電L型エンジン

第16章
ディーゼル乗用車の日本初
アカデミックエンジン

第17章
ニューヨークバス・ラプソディーを奏でた
GMエンジン

第18章
木曽谷の奥で待っていた
帝国陸軍の軍用車エンジン

第19章
玉座に座り損ねた
DB52 100式エンジン

第20章
ガス電(日野重工)の有終の美を飾った
V形12シリンダーディーゼルエンジン

第21章
放浪の果て親に巡り会えたが、再び放浪の旅に消えた
ヒノサムライのエンジン

第22章
偉大な技術者の躓き
ケタリングと本田宗一郎

第23章
一気に30%の燃費向上を果たした
日野EP100エンジン

第24章
お役人のひとことが生んだ世界初
高圧コモンレール燃料噴射システム

■航空用
第25章
正道を駆け上がり、奇想天外ぶりを発揮した
クレマン・アデァ

第26章
設計者と一緒にポトマック川に投げ込まれた
マンリーのエンジン

第27章
ないない尽くしの世界初アルミエンジン
ライト兄弟のエンジン

第28章
うっかりミスでモーターを発明した
シーメンスの互い違いに回るロータリーエンジン

第29章
日本初の国産91式戦闘機の原点となった
ブリストルジュピターエンジン

第30章
プロペラと一緒に自分自身も懸命に回った
ル・ローンエンジン

第31章
お腹が大きいミス・ビードルを追っかけた男
P&Wエンジンとライトエンジン

第32章
高村光太郎の乙女に見守られ、湖底に眠った
「天風」とその親「神風」

第33章
優等生の席にちゃっかり座り込んで世界記録を立てた
川崎エンジン

第34章
的矢六兵衛エンジン!?
ガス電「初風」

第35章
MIT(マサチューセッツ工科大学)に捕虜となった
ガス電「ハ143」

第36章
シリンダーにピストンを2つ入れた
ユンカース ユモ成層圏エンジン

第37章
サン・テグジュペリに愛され、山本五十六も誘って星に向かった
アリソンエンジン

第38章
ソ連でも生まれていた
四角顔のユンカースエンジン

第39章
お騒がせ、ひとり玉座のブリストル
スリーブバルブエンジン

第40章
ガス灯から生まれた最後の2500馬力
「ハ51」

第41章
ドイツから持ち帰った戦闘機Me163の写真とスケッチを元に緊急開発された
ロケット戦闘機「秋水」

第42章
仲間が分かれ分かれになって落っこちた
H−Ⅱロケット

■舶用
第43章
天と地を逆にしてみたらという機転から誕生
サイドレバーエンジン

第44章
正真正銘の名エンジン
戦艦「三笠」のエンジン

第45章
頭とお尻に燃焼室がある変なディーゼルエンジン
氷川丸のエンジン

第46章
自動車用ディーゼルが里子に出されて日本初の舶用ディーゼルに?
池貝4HSD10型ディーゼルエンジン

第47章
休みなしで働き続ける“月月火水木金金”エンジン
艦本エンジン

第48章
帝国陸軍の潜水艦に搭載
ダイハツ ヘッセルマンエンジン

第49章
ヒノサムライの血を引き漁場レースを制した
日野舶用エンジン

■戦車用
第50章
ブリキの玩具と揶揄された
日本の戦車

第51章
ヨーロッパと同時期に開発した
池貝戦車用小型ディーゼルエンジン

第52章
東京学芸大学の倉庫で見つけた
戦車エンジン

第53章
ディーゼルの宋主国ドイツを征した
V2エンジン

■機関車用
第54章
ツェッペリン号で名を挙げ、トラブルでも名を成した
マイバッハエンジン

第55章
跳梁跋扈のSボート対策で生まれた
三角エンジン

■汎用
第56章
崑崙の高嶺の彼方に大地を削る
日野建機用エンジン

第57章
往年の名機と最新の名機との邂逅 その1
日野最古参DSエンジン

第58章
往年の名機と最新の名機との邂逅 その2
最先端E13Cエンジン

第59章
取り残されたディーゼルエンジンを救う
下町の黒煙フィルタ

エピローグにかえて
参考文献
謝辞

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