鉄道

鉄道重大事故の歴史
鉄道事故に見る安全技術の進化

著 者:久保田 博

本体2,800円+税

A5判/197頁/978-4-87687-412-5/2023年12月発売

日本の鉄道の安全技術がどのように進化してきたのか、元鉄道技術者の著者ならではの視点で解説する価値ある書

日本の鉄道は、正確な運行と安全面で世界の最高レベルにある。そこには、過去の鉄道事故の教訓を安全技術に活かしてきた歴史が存在する。本書は、鉄道創業期から2005年までの国内188件の重大事故を分析し、いかに日本の鉄道の安全技術が進化を遂げてきたのかを解説。また海外での事故例54件のほか、列車事故率の推移、索引なども加えている。

※本書は2005年刊行の『鉄道重大事故の歴史』(第4刷)の内容を再確認して修正を加えるとともに、2001年から2022年までの鉄道事故の発生件数表を追加収録、索引の掲載項目を見直して、事故原因や安全技術に関する内容に重点を置いて新規作成した、新装版です。

目  次
1 鉄道創業期(1872~88年)
1 - 1 日本の鉄道以前の海外の鉄道の重大事故
1 - 2 日本の創業期の重大事故
1 - 3 創業期の保安
1 - 4 保安設備の強化

2 鉄道伸長期(1889~1905年)
2 - 1 海外の重大事故
2 - 2 鉄道伸長期の重大事故
2 - 3 伸長期の保安
2 - 4 通票閉塞式の採用
2 - 5 各種規程の制定

3 鉄道国有化期(1906~19年)
3 - 1海外の重大事故
3- 2 鉄道国有化期の重大事
3 - 3 国有化後の保安
3 - 4 自動閉塞式の採用
3 - 5 安全側線の採用
3 - 6 連動装置の継電化

4 鉄道発展期(1920~36年)
4 - 1 海外の重大事故
4 - 2 鉄道発展期の重大事故
4 - 3 発展期の保安
4 - 4 自動連結器への一斉取替え
4 - 5 空気ブレーキ装置の採用
4 - 6 標準タイヤコンタの制定

5 戦時期(1937~45年)
5 - 1 戦時期の海外の重大事故
5 - 2 戦時期の重大事故
5 - 3 戦時期の保安
5 - 4 戦時期の輸送非常対策

6 終戦直後期(1945~49年)
6 - 1 終戦直後期の重大事故
6 - 2 終戦直後期の保安
6 - 3 『運転取扱心得』の全面改正

7 国鉄発足期(1949~56年)
7 - 1 海外の重大事故
7 - 2 国鉄発足期の重大事故
7 - 3 国鉄発足期の保安
7 - 4 木造客車の鋼体化工事
7 - 5 蒸気機関車ボイラーの取替え

8 鉄道近代化前期(1957~63年)
8 -1 鉄道近代化前期の重大事故
8 -2 近代化前期の保安
8 -3 車内警報装置およびATSの採用
8 -4 連査閉塞式の採用
8 -5 踏切整備の推進
8 -6 貨車の競合脱線事故防止対策
8 -7 鉄道労働科学研究所の設立

9 鉄道近代化後期(1964~75年)
9 - 1 海外の重大事故
9 - 2 鉄道近代化後期の重大事故
9 - 3 近代化後期の保安
9 - 4 保安対策万全の新幹線の誕生
9 - 5 ATSの改良とATCの採用
9 - 6 列車火災事故対策

10 国鉄最終期(1975~86年)
10- 1 海外の重大事故
10- 2 国鉄最終期の重大事故
10- 3 国鉄最終期の保安
10- 4 CTCの普及
10- 5 新幹線の雪害対策

11 現代期(1987~2005年)
11- 1 海外の重大事故
11- 2 現代期の重大事故
11- 3 現代の保安
11-4 恒久施設の対策と地震対
11- 5 ATSの改良

12 事故の解析と鉄道保安
12- 1 列車事故率の推移
12- 2 重大事故の原因解析からの考察
12- 3 より高い保安水準を目指して