ロードバイクの素材と構造の進化
本体2,200円+税
A5判/184頁/978-4-87687-411-8/2023年11月発売
ロードバイクには極めて緻密なメカニズムと高価で最先端の素材がふんだんに使われている。本書では、走行に影響するフレームの「カーボンファイバー」「アルミニウム」「チタン」などの素材や構造の進化を図版とともに説明し、ロードバイクの「機械的魅力」を紹介。ロードバイクの初心者から愛好者まで、製品購入の参考やメンテナンスにも役立つ。
※本書は2020年8月7日発行の『ロードバイクの素材と構造の進化』の内容はそのままに、カバーデザインを一新して刊行する新装版です。
目次
はじめに
ロードバイクの各部名称
第1章 ロードバイクの歴史
1 自転車の誕生~競技によってロードレーサーへ発展
2 軽量化を追求して構造や素材が進化
3 日本におけるロードバイクの歴史
第2章 ロードバイクのエネルギー効率はどれくらい高いか
1 ロードバイクほど効率の高い乗り物はない!
2 一般的な自転車であるママチャリとの比較
3 速度を出すほど安定する高重心デザイン
4 ジョギングなどと運動強度と効率をMETs で比較
第3章 ロードバイクのカーボンフレームがもつ可能性
1 形状(構造)と素材がフレームの特性を決定づける
2 カーボンフレームは自由自在に特性を設計できる
3 カーボンフレームは高価なものほど優れているか
4 カーボンフレームに寿命はあるか
5 カーボンフレームは修理できるモノか
第4章 カ ーボンフレームに使われる素材
1 カーボンファイバーとは何か
2 カーボンファイバーにも種類がある
3 カーボンファイバー以外の素材も組み合わされる
4 なぜ日本製のカーボンファイバーが優れているのか
5 カーボンファイバーはグレードにより使い分けされる
6 カーボンファイバーをより軽く強くする工夫
第5章 CFRP の製法の種類
1 カーボンモノコックでも、作り方はいろいろ
2 CFRP として成形するための樹脂について
3 内圧成形法やマッチドダイなど様々な製法
4 オートクレーブによるドライカーボンの製法が最高峰
5 ロードバイクでは珍しいRTM 製法
6 ウエットでも高性能な製品を実現可能な、インフュージョン成形法
7 近い将来、カーボンフレームが一番安いグレードになる!?
第6章 ロードバイクフレームの金属素材
1 アルミ合金でも種類は豊富で特性も様々
2 クロモリ=鉄ではない、奥深いスチールの世界
3 チタンという金属の可能性
4 マグネシウムは将来、活用される金属になるか
5 竹やマホガニーといった木製フレームも存在する
6 ロードバイクフレームの表面仕上げについて
第7章 ロードバイクの安全性
1 ロードバイクにも衝撃を吸収する能力がある
2 ロードバイクは見た目よりもずっと強度が高い
3 ロードバイクの安全基準EN からSBBA、ISO へ
4 ロードバイクのフレームにかかる応力
第8章 フレーム形状の動向
1 ダイヤモンドフレームからの進化に制約
2 スローピングフレームによりコンパクトで高剛性化
3 メガチューブは加工技術と素材が生んだ効率追求のかたち
4 最も大きな力を受けるBB 回りの進化
5 カーボンフォークにより安全性、快適性が大幅向上
6 エアロ形状がどこまで進化していくか
7 ブレーキも車体に合わせて進化してきた
第9章 ロードバイクの最近の進化
1 フレームにアルミ合金、CFRP 導入で超軽量化
2 軽量化の次は空力特性へ、エアロロードの登場
3 新ジャンル、人気のグラベルロードとはどんな仕様か
4 電動アシストロードバイクという乗り物
第10章 コンポーネントの進化の歴史
1 変速機登場後も競技へはなかなか実戦投入されず
2 カンパニョーロがコンポを発明、シマノが続く
3 ブレーキレバーにシフターを組み込んだ革命的進化
4 キャリパーブレーキもデュアルピボット化で進化
5 シマノの巧みなグレード戦略、追随するカンパニョーロ
6 電動化がもたらす、ギアシフト革命
第11章 ホイールの歴史と近年の進化ぶり
1 フレームの進化に合わせてホイールも進化
2 ホイールの空気抵抗軽減における進化
3 リム形状と素材による機能、効率の違い
4 タイヤはサイズアップの一方で軽量化も進む
5 ハブの構造も近年、進化してきた
参考文献
協力
おわりに