ニュース

2022年に開業150年を迎えた日本の鉄道。新刊『日本鉄道150年史 年表[国鉄・JR]』刊行にちなみ、鉄道の歴史の中で「鉄道遺産」と呼ばれ、大切に保存活用されている施設や車両、駅舎など紹介してゆきます。今回は、岡山県津山市にある「津山まなびの鉄道館」を訪問しました。その様子と2023年9月のイベント予定をお伝えします。(レポート:編集部)

2022年に開業150年を迎えた日本の鉄道。新刊『日本鉄道150年史 年表[国鉄・JR]』刊行にちなみ、鉄道の歴史の中で「鉄道遺産」と呼ばれ、大切に保存活用されている施設や車両、駅舎など紹介してゆきます。今回は、岡山県津山市にある「津山まなびの鉄道館」を訪問しました。その様子と2023年9月のイベント予定をお伝えします。(レポート:編集部)

2016年に開館した「津山まなびの鉄道館」は、「鉄道遺産のまち・津山」のシンボル的存在です。

旧津山扇形機関車庫は、1936年に建造され17台の車両を収容できる扇形の車庫で、京都の梅小路機関庫に次ぐ2番目の大きさを誇ります。現在、ここに貴重なディーゼル車両11台、蒸気機関車1台、10t貨車移動機1台が保存されています。

機関車庫の中心にある転車台は機関車庫より古い1930年製。蒸気機関車など、運転席が前後になく、片側のみについている車両の方向転換をするための施設で、岡山県内では津山にしかない現役の施設です。

旧津山扇形機関車庫と転車台は、JR西日本の「鉄道記念物」に指定されています。また、産業考古学会の「推薦産業遺産」や経済産業省の「近代化産業遺産」にも指定されています。

よく見ると、機関庫の天井には蒸気機関車の煙突から出た煙のすすが残っているのが分かります。

DE50-1号機。この機関車は当時日本で“最強最大”のエンジンを搭載したディーゼル機関車の試作機として1970年に誕生。しかし、鉄道の電化などで活躍の場を失い、量産には至らずこの1台のみの製造で終了。ここでしか見ることができない貴重な車両です。

D51-2号機。この博物館唯一の蒸気機関車です。D51型の初期型は、煙突と砂箱がつながっていることから「ナメクジ」の愛称で親しまれています。毎日12時と15時にはD51の隣にある「旅立ちの汽笛」で蒸気機関車の汽笛が鳴らされます。

2023年9月は1か月間、急行用車両として全国で活躍したキハ58形の車内や運転席も見学できます。オリジナルグッズをゲットできるクイズラリーも用意されています。
転車台では、車両を載せて回転する風景を見ることができます。こちらのスケジュールは9/9(土)、9/10(日)、9/16(土)~9/18(月・祝)、9/23(土・祝)、9/24(日)です。

その他にも、2023年9月のスケジュールとして、9/16(土)~18(月・祝)には高所作業車のゴンドラから機関庫を見下ろせるスカイビューイングや、9/23(土・祝)、9/24(日)にはミニSL乗車体験も予定されています。

あゆみルームでは、日本と岡山の鉄道の歴史を学ぶことが出来ます。

しくみルームでは、安全に走るための鉄道のしくみや、懐かしい切符販売窓口やタブレット閉塞機など駅のしくみを学ぶことが出来ます。

まちなみルームでは、ジオラマで津山扇形機関車庫や因美線の沿線風景が再現されていて、急行「砂丘」号などの列車の走行を楽しめます。

まなびルームでは記念グッズの販売も行なわれています。JR西日本岡山支社のマスコットキャラクター「くまなく・たびにゃん」もお出迎えしてくれます。

津山は、「鉄道遺産のまち」「鉄道遺産の聖地」として知られてきており、2023年4月には「津山まなびの鉄道館」も来館者が40万人を達成しました。津山駅も2023年8月21日に開業100年を迎えました。皆さんぜひ一度津山ならびに「津山まなびの鉄道館」を訪ねてみて下さい。

■津山まなびの鉄道館 ウェブサイト
https://www.tsuyamakan.jp/manabi/

■『日本鉄道150年史 年表[国鉄・JR]』刊行情報は こちら