トラック・バス

小型・軽トラック年代記
三輪自動車の隆盛と四輪車の台頭 1904‐1969

著 者:桂木洋二

本体2,000円+税

A5判/216頁/978-4-87687-406-4/2023年6月発売

戦前に日本独特の自動車として誕生したオート三輪車をはじめ、戦後に登場しブームとなった軽三輪。さらには日本の経済成長とともに各メーカーが、開発にしのぎを削った小型・軽トラック。本書では、トラックの変遷が最も顕著であった1904年から1969年までの小型・軽トラックがどのように開発されたのかを当時の社会状況を含め、豊富な写真とともに紹介。巻末には主要メーカーの沿革一覧も収録。
※本書は、『小型・軽トラック年代記』(2020年3 月10日初版発行)の内容はそのままに、カバーデザインを一新して刊行する新装版です。

目次

はじめに
第1章 小型トラックの歴史・戦前編
1.揺籃期の国産小型車
■自動車と法律
■国産小型車の登場
■日本の自動車事情とトラック
■日本独特のオート三輪車の登場
■小型自動車規格の誕生による影響
■小型車規定の改定と社会状況
2.国内自動車メーカーの勃興と小型四輪車
■小型四輪車の登場
■太田の小型自動車
■京三号その他の小型四輪車
3.エンジン開発とオート三輪車の隆盛
■国産エンジンによるオート三輪時代の到来
■ダイハツもエンジンから始める
■東洋工業によるオート三輪車部門への参入
■750ccに拡大される小型車規定
■戦前のオート三輪のピークは1930年代の後半
4.時代を映す小型車生産
■小型車の売れ行き好調
■戦時色の強化につれて生産減退
■戦時中の生産状況

第2章 戦後の10年間におけるオート三輪と小型トラック
1.自動車メーカーの動向とトラック生産
■敗戦直後の状況
■戦後の新しい小型車の規定
■三メーカーによる小型トラックの生産
■戦後5 年目の朝鮮戦争をきっかけとする成長
2.主要オート三輪メーカーの動向
■販売を伸ばすオート三輪車
■着実に売り上げを伸ばすダイハツ
■意欲的な取り組みでトップとなるマツダ
■第三勢力としての日本内燃機(くろがね)
3.新規参入メーカーの動向
■愛知機械工業のヂャイアント
■三井精機のオリエント
■戦後にゼロからスタートしたサンカー
■川西航空機から分離した明和自動車のアキツ
■ターニングポイントとなった1955年
トヨタSB 型/SG 型トラック/トヨペットトラックRK 型1.5/ダットサントラック/プリンストラック/オオタOS・KA 型トラック/オオタKC・KD 型トラック/ダイハツPSK 型ほかオート三輪/ダイハツSSR・SV・SSX 型/マツダCT・HB・LB・CTA 型オート三輪/マツダCTA・CHTA102型/くろがねKC・KD 型オート三輪/くろがねKE・KGL 型/みずしまTM3FC・TM3K 型オート三輪/みずしまTM4E・TM5F 型/ヂャイアントAA3・AA5B・AA7型オート三輪/ヂャイアントAA-6・AA-11型/オリエントDC・KF 型オート三輪/オリエントKH・LC 型オート三輪/サンカーオート三輪/アキツオート三輪

第3章 オート三輪車のピーク到来と小型トラックの台頭
1.神武景気による好況と自動車メーカーの動向
■トヨエースの登場とその普及
■各メーカーの小型トラックの登場
■プリンス自動車のトラック開発
2.進むオート三輪車の高級化
■日本独特の技術進化を見せるオート三輪車
■1950年代後半のマツダ車の動向
■特装車にも力を入れるダイハツ
■東急資本により再生を図るくろがね
■生産中止に追い込まれた三菱みずしま
■ヂャイアント及びオリエントの動向
3.1957年にオート三輪の販売が小型四輪トラックに逆転される
■オート三輪メーカーの四輪部門への進出
トヨペットライトトラック・トヨエース/トヨペットダイナ/スタウト/ダットサントラック・ニッサンジュニア/ニッサンキャブオール・ダットサンキャブライト/プリンスAKTG・クリッパー・マイラー/オオタFU-X・KE・VN 型/マツダ ロンパー・D1100トラック/くろがねNA・NB・NC・ノーバ/マツダGDZA67・CHTA・CHATB 型/マツダMBR・HBR・T1100型/ダイハツSCA・SCE・SCO・SDF 型/ダイハツRKO・RKM・UO・PL 型/くろがねKF・KD3型/くろがねKP・KR・KY型/三菱TM7A・TM12F 型/三菱TM8B・TM15F・18B 型/ヂャイアントAA-13・14HS・15F 型/ヂャイアントAA-24・26F・11T+AT1型/オリエントSG-1・TR-1型/オリエントAC・BB 型

第4章 軽三輪及び軽四輪トラックの時代
1.草創期の軽三輪車及び軽四輪車
■日本独特のクラスである軽自動車の誕生
■初期の軽自動車の動向
■ミゼット以前の軽三輪車
■スバル360登場以前の軽四輪自動車
2.ミゼットの登場と相次ぐオート三輪メーカーの参入
■ホープスターの健闘
■ミゼットの登場とその成功
■マツダK360の登場
■第三勢力の軽三輪メーカーの動向
■短期間に終わった軽三輪車ブーム
3.戦国時代ともいえる軽四輪車市場
■さまざまな機構を持つ軽四輪自動車
■くろがねベビーの場合
■ユニークな活動で注目されたコニーとその車両開発の中止
■独自性を示したホープスターだったが......
■富士自動車から軽のミニバンが登場
■実績を持つ自動車メーカーの強さ
■パイオニアとしてのスズキの軽トラック
■スバルの2 番目のヒットはスバルサンバー
■ホンダも四輪デビューはトラックだった
ホープスターSU・SY 型/ホープスターSM・ST 型/ダイハツミゼットDKA& DK2・MP& MP4型/ダイハツミゼットMP5型/マツダK360/マツダK360・T600/コニーAA27型/ハンビー・ハンビーサリー・ハスラー/三菱ペット レオ/くろがねベビー/コニー360・600/コニー360トラック・360ワイド/ホープスターユニカー・OT・OV 型/ダイハツハイゼット・フェローPU/マツダB360/三菱360トラック・ミニキャブ/スズライトキャリイ/スバル サンバー/ホンダT360/ホンダ ステップバン・バモス

第5章 1960年代を中心とした小型トラックの動向
1.自動車メーカーの再編と車両開発の関係
■貿易自由化を前に強まる圧力
■トラックの棲み分けの進行
2.トラックメーカーの強みを発揮したいすゞと三菱
■ディーゼルエンジンで成功したいすゞエルフ
■いすゞディーゼルエンジンの改良プロセス
■三菱の小型トラックの動向
3.マツダとダイハツの車両開発
■意欲的に新モデルを登場させたマツダの東洋工業
■順調とは行かなかったダイハツの小型トラックの動向
4.業界をリードする日産とトヨタ
■日産及びプリンスの小型トラックの動向
■日野自動車の車両開発
■豊富な車種展開で王座をキープするトヨタトラック
いすゞエルフ/いすゞエルフ・エルフィン/三菱ジュピター/三菱ジュピタージュニア・キャンター/マツダ クラフト/マツダB1500・E2000/ダイハツD150・F175型/ダイハツV200型・ハイライン/プリンス クリッパー・マイラー/プリンス ホーマー/ニッサンジュニア/ダットサン キャブライト・キャブスター/ニッサン キャブオール/ダットサン トラック/ダットサン サニートラック/日野 ブリスカ/日野 コンマース/トヨタ トヨエース/トヨペット スタウト・ダイナ/トヨタ ハイエース/トヨタ ハイラックス

1960年代までの主なメーカーの沿革一覧(50音順)
■いすゞ
石川島造船所/東京瓦斯電気工業/ダット自動車製造/自動車工業/東京自動車工業/ヂーゼル自動車工業/いすゞ自動車
■オオタ/くろがね
太田自動車製作所/高速機関工業/日本内燃機/オオタ自動車工業/日本自動車工業/東急くろがね工業
■ダイハツ
発動機製造/ダイハツ工業
■トヨタ
豊田自動織機製作所/トヨタ自動車工業
■日産/日産ディーゼル
快進社/実用自動車製造/ダット自動車製造/自動車製造/日産自動車/日本デイゼル/鐘淵デイゼル/民生デイゼル工業/日産ディーゼル工業/ UDトラックス
■日野
東京瓦斯電気工業/東京自動車工業/ヂーゼル自動車工業/日野重工業/日野産業/日野ヂーゼル工業/日野自動車工業
■プリンス
たま電気自動車/たま自動車/富士精密工業/プリンス自動車工業
■ホンダ
本田技術研究所/本田技研工業株式会社
■マツダ
東洋コルク工業株式会社/東洋工業株式会社/マツダ株式会社
■三菱/三菱ふそう
三菱造船神戸造船所/三菱重工業神戸造船所/東日本重工業/新三菱重工業/三菱重工業/三菱自動車工業/三菱ふそうトラック・バス