クルマのメカニズム

自動車の走行原理
運動力学に基づく安全技術の歴史と進化

著 者:佐野 彰一

本体2,600円+税

A5判/247頁/978-4-87687-405-7/2023年5月発売

世界初の四輪操舵の実用化や先進安全自動車の開発に従事した著者が、自動車の「走る」「曲がる」「止まる」の基本の仕組みをわかりやすく解説!

自動車をより気軽に操作できるようになったのは、先人たちによる改良と進化の歴史があったからである。本書では、自動車の挙動を理解して安全に操作するために、その基本的な動きの仕組みと、さらには安全技術の歴史を、豊富な図版とともに詳しく説明する。従事者のみならず、免許取得を目指す人や広く興味がある一般の読者にも役立つ書。

目  次
はじめに

第1章 クルマで一番大切な要素―タイヤ
1-1 自動車事故第1号
1-2 馬車と自動車の走行原理
1-3 自動車で、何が一番大事か
1-4 馬車馬を喜ばしても……
1-5 馬車から自動車レースへ
1-6 自動車には使えない
1-7 タイヤはなぜ黒いか
1-8 放射状タイヤ?の出現

第2章 走行安定性―タイヤの動き
2-1 クルマの操縦性・安定性
2-2 操縦性・安定性とタイヤの性能
2-3 自動車の運動と航空機の運動
2-4 自動車はなぜまっすぐ走れるのか
2-5 アンダーステアーと風見安定
2-6 安定を装うオーバーステアー
2-7 コーナリングフォースがつくられるメカニズム
2-8 タイヤの性能は何で決まるか
2-9 ユーザーが変えるタイヤの性能
2-10 タイヤ空気圧低下の危険
2-11 荷物の積み過ぎと異種タイヤの混用
2-12 過積載の事故と対策

第3章 安全に曲がる技術
3-1 直進から旋回へ
3-2 旋回中の姿勢と応答遅れ
3-3 応答遅れを減らすには(1)
3-4 応答遅れを減らすには(2)
3-5 応答遅れを減らすには(3)
3-6 応答遅れを減らすには(4)源流思考
3-7 応答遅れを減らすには(5)古典的四輪操舵
3-8 応答遅れを減らすには(6)日本の独創技術
3-9 応答遅れを減らすには(7)舵角応動型4WS
3-10 近代的4WS技術の推移
3-11 後輪操舵方式

第4章 アンダーステアー・オーバーステアー
4-1 なぜ「アンダーステアー」と言うのか?
4-2 旋回半径が変化する
4-3 ステアー特性を変える(1)ロールステアー
4-4 ステアー特性を変える(2)サイドフォースステアー
4-5 ステアー特性を変える(3)バンプステアーでの大失敗
4-6 ステアー特性を変える(4)スタビライザー
4-7 ステアー特性を変える(5)スタビライザーの変り種
4-8 ステアー特性を変える(6)調整式スタビライザー(1)
4-9 ステアー特性を変える(7)調整式スタビライザー(2)
4-10 ステアー特性を変える(8)空気力
4-11 カーブでのオーバースピード
4-12 カーブでの減速・加速
4-13 コーナリングのテクニック

第5章 操舵機構の進化―丸ハンドル、パワーステアリング
5-1 ターンテーブル・メカニズム
5-2 アッカーマンの幾何学
5-3 アンチ・アッカーマン
5-4 システム構成と初期のハンドル
5-5 フォードの創業時代
5-6 起死回生の速度記録挑戦
5-7 丸ハンドルの起源と制覇
5-8 伝達機構(1)
5-9 伝達機構(2)
5-10 ハンドルの手応え
5-11 操舵系の三悪
5-12 重くなるハンドル
5-13 負担軽減の努力
5-14 車体構造と操舵系
5-15 操舵力の制御
5-16 パワーステアリングの電動化
5-17 電動パワーステアリングの開発
5-18 第二世代のバリアブルレシオ
5-19 前方注視モデル
5-20 減速比制御自由度の向上