進化するエンジン技術
本体2,400円+税
A5判/217頁/978-4-87687-404-0/2023年4月発売
ヤマハによる世界初の7バルブエンジン開発に従事した著者が、エンジンの進化と今後の可能性をわかりやすく解説。
現在にいたるエンジン技術の進化は、先人のたゆみない努力によって蓄積され実現してきた。本書は、エンジン開発に長く携わってきた著者が、そこにどのような課題や技術的な意味があったのかを探りながら、新たな見方や知見を提供しつつ、これからのエンジンの可能性を多数の図版を収録して展望する、価値ある書。
目 次
第1章 エンジンは生き残れるか
1.自動車用エンジンをとりまく現状
2.今後のガソリンエンジンは
3.生き残るためにエンジンは進化した
4.そして4サイクルエンジンが残った
5.結局はガソリンもディーゼルも同じ
6.排気ガス特性と清浄化
7.特性を活かさないと生き残れない
第2章 もっと知るエンジン作動特性
1.シリンダ内のガス組成はこんなに違う
2.ポイントは低温での急速燃焼
3.燃費の指標はq-T特性
4.燃費を良くするベースは摩擦の低減
5.もっと考慮したい排気ポンピングロス
6.燃費改善の基本は狭角4バルブ
第3章 適合性を高める可変装置
1.吸気の動的効果を高める吸気制御装置
2.運転条件に合わせる可変動弁装置
3.ガソリン圧縮着火(HCCI)が可能にする超希薄燃焼
4.基本諸元可変装置
第4章 2サイクルエンジンの特性と欠点の原因
1.高出力が2サイクルの特徴
2. 2サイクルでは避けられない低負荷時の不整燃焼、排気ガス低減の壁
3.ガソリン圧縮着火の先駆者は2サイクル
4.2サイクルエンジンの可能性
第5章 設計が難しい空冷エンジン
1.空冷エンジンの冷却
2.バルブクリアランスの維持
3.空冷エンジンのシリンダ配置
4.シリンダヘッド締め付け部の設計
5.空冷エンジンのクランク軸受
第6章 産業用小型エンジン
1.新機能でシェアを逆転した汎用エンジン
2.芝刈り機用バーチカルエンジン
3.携帯型2サイクルエンジン
4.携帯型4サイクルエンジン
第7章 もっと知るエンジンのあれこれ
1.高速回転の難しさ
2.人の感覚とエンジン特性
3.実用的な4サイクルのトルク特性
4.1スロットルと多連スロットル
5.負荷によって異なる回転変動
6.クランクケース過給エンジン
7.狭角V型エンジン
8.水噴射エンジン
9.水素エンジン
第8章 今後の動力源
1.電動車用エンジン
2.適者生存
3.EVは成長期への移行が可能か
参考文献
資料協力
おわりに