東京オートサロン2023(ブリヂストン/トーヨータイヤ)

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2023年の東京オートサロンで、気になったブースの報告です。今回はブリヂストンとトーヨータイヤのブース。

ブリジストンも「周年」の展示をしていました。今年はモータースポーツ活動60周年になります。つまり1963年、第1回日本グランプリの年から。そこにブリヂストンはレース用タイヤを開発して投入したのでした。

ちなみにブリヂストンが初めて乗用車用タイヤをつくったのは1930年。自動車誕生からすぐ、レースにタイヤを供給したヨーロッパのタイヤメーカーに比べれば、レース参戦は遅いといえますが、それは日本の本格的モータースポーツ開始が遅かったからです。

「POTENZA」の歴史をつくったタイヤの実物展示。左が最初のポテンザ。RE47で、1979年の登場。今と比べればずいぶんとブロックが荒いようです。右がいわずとしれたRE71。1985年登場で、ポルシェに標準装着されたのが画期的でした。

ブースには、未来に続くものの展示も。これは傘下のファイアストン・ブランドのインディカー用タイヤですが、グアユールという砂漠に生える植物を「天然ゴム」の原料として使用しています。サイドウォールにグアユール由来ゴムを使用し、2022年にインディカーの実戦に使用され、今後広く普及させていくようです。インディカーもF1同様にサステナブルな取り組みを進めているわけです。

天然の植物由来だから即エコ、というわけではないですが、熱帯地域で育つ従来のゴムだけに頼らず、原料の多様性を広げるということで、“サステナブル”、産業の持続可能性につながるといえるわけです。

こちらはトーヨータイヤのブースに展示されていたアウディのスペシャルマシン、S1 e-tron クワトロ・フーニトロン。ケン・ブロックのジムカーナ・シリーズのマシンとしてつくられたもの。ラスベガスで撮られたその動画は観ていましたが、オートサロン直前にブロック氏の訃報がニュースで流れ、今回車両だけの展示になりました。

写真を撮っていたら、横にいた比較的若い男性が、おもむろに花束を取り出してクルマの前に置き、不意のことで、思わずぐっとくるものがありました。ブロック氏のことはジムカーナ・シリーズの動画でしか知りませんが、“単なるアクロバット走行”が、いかに人の魂に響くものであったのか、思い知った次第。合掌。

(レポート・写真:武田 隆)

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