クルマのメカニズム

レーシングエンジンの徹底研究

著 者:林 義正

本体2,800円+税

A5判/272頁/978-4-87687-383-8/2021年4月発売

究極のエンジンとは“神様”がつくったエンジン。“神様”がつくったエンジンは自然の摂理にかなったエンジンである-という設計哲学を持ち、数々の名エンジンを設計した著者が、レーシングエンジンを素材として設計やチューニングの王道を伝授する。電動化が叫ばれ、内燃機関の環境負荷が取りざたされる昨今の風潮の中、エンジンの可能性を指し示す。次世代エンジンの開発にも通じる不朽の名著。
※本書は2002年刊行の『新版 レーシングエンジンの徹底研究』の内容の再確認を実施し、カバー装丁を一新して刊行する、新装版です。

目 次

はじめに

第1章 レーシングエンジンとは
1-1 全知全能を傾けてマシンを走らせる
1-2 技術は人の産物である
1-3 レーシングエンジンは究極の量産エンジンである

第2章 レーシングエンジンの特性
2-1 レーシングエンジンの原点はオットーサイクル
2-2 高性能化はノッキングとの闘い
2-3 シリンダーヘッド形式の変遷
2-4 なぜ高速回転させるか
2-5 慣性過給による充填効率の向上
2-6 ターボも自然吸気も基本は同じ

第3章 馬力を出すための3要素の考察
3-1 いかにしてたくさんの空気を吸い込むか
3-2 燃焼をよくするのがエンジンの基本
3-3 燃料をムダ使いしなければ馬力が出る

第4章 企画から設計までに考慮すべき要素
4-1 構想から実走行までのプロセス
4-2 必要なのは緻密な思考と勝利への意欲
4-3 エンジン振動は少ないほど有利だ
4-4 BSFC(燃費)の良いエンジンが強い
4-5 整備性とは修理不要の信頼性構築
4-6 レーシングエンジンのコスト

第5章 エンジン設計のキーポイント
5-1 エンジンもマシンユニットのひとつ
5-2 車体構成を活かすエンジンレイアウト
5-3 排気量とボア・ストローク
5-4 ボアピッチと燃焼室形状
5-5 望ましい燃焼室形状の追求
5-6 燃焼室と動弁系の設計
5-7 カムシャフト及び補機類の設計

第6章 本体構造系の設計
6-1 シリンダーヘッド
6-2 ヘッドカバー
6-3 シリンダーブロック
6-4 オイルパン及びヘッドガスケットなど

第7章 主運動系の設計と構造
7-1 クランクシャフト
7-2 ピストン
7-3 ピストンリング及びピストンピン
7-4 コネクティングロッド
7-5 フライホイール

第8章 動弁系の設計と構造
8-1 動弁系の作動の基本
8-2 バルブスプリング
8-3 バルブ径とリフト量
8-4 バルブとその周辺部品の構造
8-5 カムシャフト
8-6 カムシャフト駆動ギア

第9章 システム設計の理論
9-1 吸気系
9-2 排気系
9-3 冷却系
9-4 潤滑系
9-5 制御系
9-6 ターボユニット
9-7 電装系

第10章 レーシングエンジンの味付け
10-1 チューニング
10-2 レスポンスの改善
10-3 マッチング

索 引
おわりに