クルマのメカニズム

自動車の走行性能と構造
開発者が語るチューニングの基礎

著 者:堀 重之

本体2,000円+税

A5判/192頁/978-4-87687-380-7/2021年1月発売

走行性の高いクルマの構造や特徴について、図版と共にわかりやすく解説!

数々の車種を開発してきた著者は、サスペンションの構造の違いよりもボディのどの部分を強化すれば、どのように走りが変化するかを解明。その全貌を明快に語る。さらには、走行性能が高いと評価される欧州車16車を具体例として、豊富な図版と共にわかりやすく解説する。走行性の高いクルマの構造や特徴を知ることで、運転しやすく乗り心地の良い一台を選ぶことができ、一般のユーザーにも参考になる一冊。本書は『走行性能の高いシャシーの開発』(2016年発行)の内容の見直しと増補をし、改題して刊行する増補二訂版。

目 次

車の開発に携わる技術者には是非、読んで頂きたい価値ある書/宇野高明

第1章 はじめに
第2章 車両走行性能と人間の感覚
第3章 走行性能の違いと原理
第4章 ボデー剛性の概念
4.1 ボデーの平面変形
4.2 旋回時のタイヤの傾きについて
4.3 ボデーの捻り変形
4.4 乗り心地とボデー剛性
4.5 エンジン、トランスミッションが走行性能に及ぼす影響
4.6 車両重量バランスについて
4.7 ボデーが変形する例
第5章 走行性能を向上させるボデー剛性の改良方法
5.1 Fr サイドメンバー自身の剛性
5.2 Fr サイドメンバー補強リーンフォース
5.3 トルクボックスの補強
5.4 鉄板の合わせ構造と溶接方法について
5.5 バンパーリーンフォースの結合ボルト数による変化
5.6 サイドメンバーとサブフレームの結合剛性について
5.7 Fr サイドメンバーの補強バー
5.8 サブフレーム補強プレート
5.9 わずかな工夫で骨格の捩れ変形を防止できる例
5.10 Frサイドメンバーの平面変形防止
5.11 Rr サイドメンバーの平面変形防止
5.12 ステアリング系の剛性
5.13 ロッカーの変形について
5.14 フロアパネル変形防止による乗り心地の向上
5.15 ボルト、ナットかみ合い部延長
第6章 首の筋電位測定による車走行性能の判定
6.1 筋電位測定方法
6.2 各車の筋電位の違い
6.3 ロッカー剛性の走行性能に及ぼす影響
第7章 ボデー剛性のバランス
7.1 Frボデーの剛性アップ
7.2 Cntボデーの剛性アップ
7.3 Rrボデーの剛性アップ
7.4 FrとRrボデーの剛性アップ
7.5 Fr、Cnt、Rrボデー全ての剛性アップ
7.5 ボデー剛性向上のバランス
7.6 首の筋電位による評価
7.7 加速度測定および車両姿勢測定による評価
7.8 ボデー剛性バランスが崩れた場合
第8章 ボデー剛性の測定方法
第9章 その他の部品の剛性
9.1 アルミホイールの剛性
9.2 シートについて
第10章 空力部品による走行性能の向上
第11章 タイヤの接地面測定
第12章 ドライビングシミュレーター試験
第13章 視界について
第14章 走行性能の測定方法
第15章 騒音について
15.1 エンジンこもり音
15.2 エンジン透過音
15.3 ディーゼルエンジン車の騒音について
第16章 実車両への技術の導入
第17章 世界の自動車走行シーンと走行性能
第18章 各自動車メーカーの特徴
第19章 その他の車の走行現象と今後の研究課題について
19.1 自動車走行性能の人間が感じるメカニズムの解明
19.2 雪道走行性能
19.3 スティックスリップ現象
19.4 道路面の違いによる走行性能の差
19.5 ボデー変形の微視的測定
第20章 開発体制と今後の自動車の方向

おわりに