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東京オートサロン2016(その4:豊田自動織機、ダイハツ、ダンロップ)

東京オートサロン2016の第4回目です。豊田自動織機と、ダイハツ、ダンロップのブースが目に留まりました。

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豊田自動織機も初出展で、ラリーカーと、デザインスタディのコンセプトカーを展示していました。あまり知られていませんが、豊田自動織機は部品だけでなく、トヨタ車のクルマそのものの開発、生産も行なっており、たとえばヴィッツはそのひとつです。写真横に見えているそのヴィッツのラリーカーは、社員の方が参戦している車両を、今年初めて自社ブースで展示したとのことです。
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デザインスタディのほうは、まったくのコンセプトカーで、将来のトヨタの市販車に、というようなことは、考えていないそうです。ある程度より上の世代のユーザーを意識したもので、フェンダーの優美なラインとか、張り出したフェンダーのボリューム感など、オーナーが愛でることができるようにというねらいから、少しクラシカルな感じを醸し出しています。
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リア部分はハッチバック形状ですが、リアハッチが複雑なカーブの造形となっており、それを同社得意技術の樹脂製一体成型でつくるというところがひとつのアピールポイントです。青い塗装の部分だけでなく、黒く見える「窓ガラス」部分まで樹脂で一体成型にしているわけです。
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ダイハツのブースは、今年はコペンだけでなく各モデルのカスタマイズが展示されていましたが、コペンも数種類新たな提案が展示されていました。これはそのひとつのシューティングブレーク。コペンの売りである着せ替えのボディパネルのアレンジによって、できていることが見てとれますが、気軽に安価にこういうボディ形状に「着せ替え」できるならおもしろいと思いますが、ここまでのチェンジとなるとそう単純ではないかもしれません。
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今回、会場で意外性のある存在だったのが、ダンロップのブースにあったこのクルマ。1960年代のアルピーヌM63で、ルマンを走ったクルマです。空力重視の車体デザインが特徴的です。当時のアルピーヌは、フランスメーカーだけにラリーなどではミシュランを履いていましたが、ルマン出場にあたってはダンロップを選択していたとのことで、そのためダンロップ・ブースで展示されたわけです。今回の展示企画は、近年復活してWECやルマンに参戦しているアルピーヌのレーシングカーが再びダンロップを履いている、ということも背景にあるようです。市販車の登場も決まっていますから、そのうちオートサロンに最新のアルピーヌ車が展示される日がくるだろうと思います。


(レポート・写真:武田 隆)

リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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