東京オートサロンのレポートの続きです。ホンダのブースは、見どころが多く、いろいろ盛りだくさんという印象でした。
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市販化が近いとされるS660。マット塗装で、ボディ表面の立体感がよくわかりました。ミドシップだけあって、フロント部分のスマートさが目立ちます。
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ホンダ・ブースのモータースポーツ車両は、今年は奥まった位置にあった印象ですが、今シーズンからいよいよ復帰するF1にちなんで、過去のマクラーレン・ホンダがガラスごしに、置かれていました。
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展示の力が入っていたのは、Nボックス・スラッシュ。Nボックスのルーフをチョップオフしたという、そもそもがカスタムカーのような成り立ちのクルマです。オートサロンでアピールするにはもってこいの車種という感じです。通常のノーマル・モデルでは、アメリカン・カルチャーに由来するカスタマイズを数種提案していますが、オートサロンにおいては、さらにそれをアレンジ。これは無限による市販パーツを組んだカスタマイズですが、典型的アメリカンの路線をさらに増幅させた感じです。
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いっぽうこのようなカスタマイズもありました。"バービー"ですが、これもアメリカン・カルチャーといえるのかもしれませんが、おもしろいのは、これが純正アクセサリーで仕立てられていることです。フロンドドアのステッカーなどごく一部がショー用の特別仕立てとのことでした。
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これは、純正パーツを制作するホンダ・アクセスによるカスタマイズドカーで、Code:89というネーミングです。なにが89なのかというと、1989年は平成元年であり、平成生まれ世代に向けて仕立てたカスタマイズだということです。各部のデザインや色使いが、サイバーでスマートという印象でした。全体に六角形をモチーフにデザインされています。
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ただ、フロントノーズはちょっとインパクトがあります。この車両のコンセプトは、平成世代が見るSF作品などをモチーフにしているとのことで、説明に立っていたデザイナーの方に話を聞いたところ、日本のアニメ(Jアニメ)とか、ガンダム、スターウォーズなどのイメージ、だそうです。よく、ロボット的な硬さのあるデザインを「ガンダムっぽい」などと評することがありますが、この車両の場合、積極的にメカっぽさを強調して、新しさを提案しているとのことです。ちなみに、この白を基調とした精緻なデザインから、「2001年宇宙の旅」なども連想しましたが、それはやはりちょっと古い、とのことでした‥。もう少し聞くと、最新のSF映画「オブリビオン」に出てくるドローン(無人機)などは、近いイメージだとのことです。
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リアゲートを開けて、後席を倒すとこのようになります。床になる面には、本物の金属板が貼られて、SFのマシンっぽさを演出していました。分厚い金属なので、どうしようもなく重いものでしたが、これはこれでおもしろいデザインと思った次第です。
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インテリアはこのような感じで、現実性はともかく、いかにもスマートで未来的です。ちなみに、このコンセプトカーは、先進性を強調したものですが、現在のホンダ市販車のデザイン戦略であるエキサイティングHデザインとは無関係だそうです。
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Nボックス・スラッシュは、ここへきて新しい軽自動車の新たな展開のひとつといえる、レベルの高いファンカー仕立てが注目です。ホンダの持ち味がいかんなく発揮されていると思いますが、果たして台数がどれくらい売れるのかは興味深いところです。
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これはN-ONEベースのコンセプトカーですが、これもスマートさを感じさせました。
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ホンダは、デザイン関連の展示が例年ありますが、今年はホンダ・アクセスによるカスタムパーツ制作用のクレイモデルが置かれていました。
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昨年展示されたN-ONEカスタマイズドカーのフロント部分のデザインに使われたもので、今回の展示用に、向かって右側半分を削り直してノーマル状態に戻しています。Hマークの位置が変わっているのがわかります。
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会場には、発表前のJADEのカスタマイズドカーも置かれていました。
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最近、グッズなども売られている、本田宗一郎語録が、ガレージのシャッターとバイク本体に書かれていました。印象的な言葉が多く、いろいろな場面を連想します。
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(レポート・写真:武田 隆)