2月17日、東京・丸の内のBMW Group Studioにて、スーパーGTシリーズに参戦する「BMW Sports Trophy Team Studie」の体制発表会が行なわれました。
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BMW専門店のStudieが主体となるチームは、従来からZ4でスーパーGTのGT300クラスに参戦し、総合優勝もしていますが、2014年からはBMWが本格的に支援する体制での参戦となりました。チーム運営はStudieが担うものの、PR分野はBMW(ビー・エム・ダブリュー株式会社)がサポートします。
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写真は左側にしゃがんでいるのが荒選手。右に立つ外国人がミューラー選手。
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【スポンサーとドライバー】
BMWの後ろ盾があるために、スポンサーは、充実した協賛を得られたとのことで、メインスポンサーはドイツの老舗ぬいぐるみメーカーのシュタイフ社。そのほかウイダー(森永製菓)、ゴルフ・メーカーのGRPRなどが名を連ねます。2人のドライバーも非常に強力で、ルマン優勝経験のある国際派、荒聖治選手と、ドイツ人のヨルグ・ミューラー選手というコンビ。荒選手はかつてルマンでBMW車のドライブ経験もあります。ミューラー選手はルマンやWTCCのトップマシンでの経験も豊富で、BMWの乗り手として活躍してきた大ベテランといえるようです。
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2014年向けのZ4 GT3。世界的に有名な、という感じのBMWのワークスカラー、3色の帯が入ります。今までおなじみの「初音ミク」のZ4も、別チームで継続するようですが、BMWには本音としてはこういう色のほうがほっとする、という人が多い気もします‥‥。
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【スーパーGTのGT300クラス】
BMWはヨーロッパをはじめ世界各国で、参戦チームを支援しており、今回日本で初めてその体制が実現。スーパーGTは、近年欧州発のFIA-GT規定のGT3マシンが多くなっており、BMW Z4もそのひとつでしたが、ここへ来て「ワークスカラー」のマシンが走ることになったのは画期的です。昨年度GT300は、総合優勝のホンダCR-Zのほか、スバル、日産GT-Rなどがメーカー色が強く、力も入っており、BMW陣営も対抗のために体制強化が必要だったそうです。つまりGT300が盛り上がっているということで、ドイツ本国も以前から興味を示していたということです。
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スーパーGTは、上位クラスのGT500が、ドイツのDTMとレギュレーションを統一し、2014年から導入されます。ドイツ勢としてはマシンを走らせる、売り込みたい面があると思われますが、今回の発表会では、チームとしてはいずれGT500への参入も、希望としてあるとのことでした。ヨーロパからの刺激が目立つのは、最近の日本の市販車市場の状況とリンクしているようにも感じられます。
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一番左はシュタイフ社の社長ダニエル・バート氏。その右はビー・エム・ダブリュー株式会社社長アラン・ハリス氏で、かつてモータースポーツに挑んだことがあり、フォーミュラ・フォードにも参戦したそうです。右奥で笑っているのがチーム代表兼監督の鈴木康昭氏。レースクイーンは慶応大学のミスだそうです。プレミアムなBMWブランドに合ったスポンサー、サポート陣営、という印象です。ゴルフ・メーカーがスポンサーに入っていますが、BMWオーナーの半数以上がゴルフをやるというデータがあるそうで、BMW自体、世界大会をサポートしているとのことです。
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シュタイフはテディベアのぬいぐるみの元祖的存在。BMWと同じように、ドイツ的な感じを持ち合わせたプロダクトといえるようです。
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BMWとしては、日本において、市販車のマーケティング活動にモータースポーツを従来以上に積極活用する予定とのこと。たとえばゲームの「グランツーリスモ6」では、コンペティションを開催し、最終的な勝者は国外サーキットのイベントに招待されます。ドイツ発メーカーは、伝統的にモータースポーツがブランドPRに有効なケースが多いと思いますが、それを日本国内でも実践する形が出てきたということは、輸入車ブランドの新展開といえるのもしれません。
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(レポート・写真:武田 隆)