1月10〜12日に開催された東京オートサロンを見てきました。プレスデイ初日に行けず、一般公開日だったので、逆に賑わいを感じることができました。メーカーのブースを中心に、目に付いたものを報告します。
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スバルのブースは、昨年暮れの東京モーターショーで発表されたレヴォーグが堂々と5台並んでいました。
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この写真はチューニングパーツメーカーのPROVAが製作したモデル。オーバーフェンダーも精悍でした。チューニングメーカーのものが計3車あり、レヴォーグはまだ発売前なのでメーカーブースでの展示となったようです。発売前からアフターパーツメーカーに声をかけて、いちはやくショーでの展示や市販化の展開ができるようにするのが、最近の流れのようです。それにしてもレヴォーグは、走りを感じさせるちょうどいいサイズで、注目を集めているようでした。北米に身を捧げて大型化してしまったレガシィの穴をしっかり埋めそうです。
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ステージ上のメインとして、WRX STIが展示されていました。この直後に開催された北米のLAショーよりも、わずかながら早い公開で、WRX STIとしては一応ワールドプレミアだそうでした。もちろんこれはレース車両で、今年のニュルブルクリンク24時間レース参戦車です。さかのぼれば1990年代のWRCでの「555」のカラーリング以来かと思いますが、スバルは青いカラーリングで、スポーツへの参戦を続けています。
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ニュルと並んで活動しているのが国内のGT選手権(スーパーGT)で、そのBRZが展示されていました。これは実戦の車両ではないようですが、小さい子が体験試乗をしていました。
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ブースにも掲げられているスバルのキャッチフレーズのひとつが「Proud of BOXER」ですが、水平対向エンジンは、今年はGT選手権のBRZのものがステージに展示されていました。モータースポーツではまだEJ20型が主力です。ポルシェの空冷エンジンのブロックには及ばないにしても、ずいぶん長い活躍です。吸気や冷却のダクトが長く伸びています。右側が車両前方になるわけですが、それだけエンジンが後方に積まれているわけです。
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スズキのブースです。スズキは残念ながらモータースポーツで現在目立った活躍がなく、スポーティーで定評のあるスイフト・スポーツがフロアに展示されていたのが目に付くぐらいでした。ただステージ上には、スポーティーに装ったカスタマイズモデルが2台展示されていました。これはその1台で、登場したばかりのハスラーです。この黄色は、スイフトでもおなじみの、スズキのスポーツでのテーマ色の黄色とは、基本的には関係ないそうです。フェンダーやフロントエンドの造形がなかなか精悍で、とくにフロントなどはハスラーとしてこういうのもありかもしれません。
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おなかが空くとこういう展示にも目がゆきます‥‥。ラパン・ショコラはラパンの派生モデルですが、丸型ヘッドランプはオリジナルのようです。ハスラーと少し似ています。しかし丸型一灯ではなく、補助灯類をこの丸の中に収めているので、少女漫画のような瞳になっています。ちなみに今回ホンダでは"マカロン"を展示していたので、このタイプがひとつのジャンルと化しているのでしょうか。
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ダイハツはコペン一色でした。この車両は東京モーターショーの2台の展示車両のうちの1つだそうで、ブルーの車体のほうだと思いますが、これはそのボディパネルの上にカッティングシートを貼っただけとのことです。赤いメタリックの色もさることながら、今までハードトップ姿を認識していなかったので、意外な新鮮さがありました。
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今回は、リアルスポーツ仕立てのものが展示されていました。このボディパネルはカーボンだそうです。お値段を試しに想像してみると、説明員の方に聞いた話では、現行モデル用のボンネットで7万円ぐらいのものが存在するそうです。新型コペンの場合、パネルが12あるので、ごく単純に考えて12×7万円ぐらいが指標かという話になります。車両価格からすると当然高いと思いますが、フェラーリを買うよりははるかに安くいろいろ楽しめるわけで、まじめな話、そういうことがアピールポイントなのだと思います。ただカーボンにかぎっていえば、もともとが樹脂製パネルだから、軽量化の効果はどれだけあるのかわかりませんが‥‥。
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モーターショーでもやっていた着せ替えのパフォーマンスです。カーボンのパネルが妖しく光っていました。実演する人のジーンズのつなぎが、コペンの訴える世界観なのだろうと思います。ガレージのライフを粋に楽しんでほしいということが伝わる展示でした。軽自動車としてのコペンの商品コンセプトを、いろいろよく考えているのだなと思います。
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今回、シャシーが展示されていました。展示がまたガレージ仕立てになっています。このシャシーは「ファーストプレス」で、市販型より仕上げが粗いそうです。スチールのシャシーを組んだことで、剛性が非常に高くなっているようで、スポーツカーの性能がしっかり開発されていることを訴えたいためにあえて持ってきたと、トークショーで開発責任者の方が言っていました。この車体構造によって着せ替えボディも可能になっています。本格スポーツカーとしての性能面と、着せ替えボディの楽しさの面の両方を意識して、この車体構造が採用されたとのことです。トークショーでは、元F1ドライバーの片山右京氏が登場していました。開発アドバイザーとして協力しているそうですが、新型コペンが本格スポーツカーとして開発されている面の、大きなPRになるかと思います。乗った人の話では、とにかくシャシーの剛性が高く、結果的に上質な乗り味を実現しているのだそうです。
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(レポート・写真:武田 隆)