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ルノー・カングーの限定車「クルール」が今年も発売に!

ルノー・ジャポンは、遊び心を持ち合わせたユーティリティ・ビークルのカングーに、オリジナルボディカラーを採用した限定車カングー・クルールを発表し、同日発売しました。(222日・ルノー世田谷)



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カングー・クルールは、特別色採用の限定車として過去3度に続いて、今回で4回目の発売となります。昨年は灰色や淡い緑など、1960年代をテーマにした落ち着いた色が主体でしたが、今年は一転して華やかな色彩を選んでいます。カルム ブルー(青)、クラージュ ジョン(黄色)、タンタシオン ヴィオレ(紫)の3色で、合計で180台の限定。価格は通常のカングーと変わらず、MT2198000円、AT2298000円です。

 

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カングーはもともとは実用車であっても、日本では特別に楽しむクルマ、愛着をもつクルマとして受け入れられているので、それに合うよう、当初から10色を日本でも揃えていたようです。ただ、本国のカングーは、主力は商用車仕様であるので、レギュラーの色は、地味な実用的な色が多いらしく、そのため豊富にあるコーポレートカラーなどの専用色のストックから、よい色を見つけて「クルール」として、日本向けに特別に仕立てています。250色の中から選べるとのことですが、ルノー・ジャポンでは、サンプルなしで発売色を決めるので、最初はなかなか勇気がいったそうです。

 

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今回の3色のうちの目玉はこの紫です。今回のテーマは「花」で、フランス人スタッフのフレデリック・ブレン氏の説明によると、フランスでは花は大事なもので、リビングにも飾ってあるのがあたりまえのもの、とのことです。3色とも華やかで鮮やかな色が選択されているようですが、とくに紫というのは、クルマとしては非常に珍しいと思われます。最近、新型クラウンがピンク色で話題になるなど、ビビッドなカラーのクルマが多くなっている印象もあり、流行色は、景気などの世の中の状況を表しているとよくいわれますが、カングー・クルールは、さしずめその最前線といったところでしょうか?

 

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広告のポスターには、テーマである「花」が大きくフィーチャーされています。フラワーディレクターの川口昌亮さんが手がけています。

 

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その実作が発表会場に飾られていました。今回のカングー・クルールをイメージしたものです。フランスへ行くと、南仏プロヴァンス地方などでも素朴な花が路地や家々に飾られているのを目にしますが、この作品は特別にセンスを感じさせるものでした。日本におけるルノーの展開には、こういったセンスが大切と思われます。

 

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ルノー・ジャポン代表取締役社長の大極司氏が身につけているのは、カングー・クルールの紫(タンタシオン ヴィオレ)と同色のストール。東京・青山のストール専門店Koma aoyamaとのコラボレーションのグッズで、限定20枚の販売。タグが「RENAULT」なのが、秘かな見どころで、楽しんでこういった企画をいろいろ考えているとのことです。輸入車のなかでも、とくにフランス車の場合、こういったスタンスが実は大切なのだと思われます。

 

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カングー・クルールは、色以外は通常のカングーと基本的に同じ仕様です。外装は前後バンパーとリアランプガーニッシュ、ドアミラーがブラックになります。

 

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当日は、ルノー・ディーラー各店舗に順次導入中の、新しいVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)の紹介もありました。店内は白を基調にしながら、ルノーのコーポレートカラーの黄色が目立つように配されています。このVIは、世界で統一のもののようですが、明るいイエローの色合いや、ピクトグラム(絵文字)のデザインなど、フランスならではという感じがしました。陳列棚などのいわゆる什器類も、白、緑、黄色を使う色合いやデザインが決まっていて、このほか、爽やかな写真なども装飾として飾られています。コーヒーショップやファーストフードのチェーン店で、ときどきかなりセンスよくデザインされた店舗があったりしますが、さながらそのフランス版というか、ルノー版、とでもいえるようなカジュアルさが感じられました。気軽に店内に入れるということを考えているようですが、ルノー・ブランドの大切な価値である、温かみのある雰囲気を作り出しているとのことです。

 

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ルノースポールスペシャリストディーラーのVIは、モータースポーツを連想させる、黒と白のチェッカー模様などがデザインされています。


(レポート・写真:武田 隆)

リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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