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アルファロメオ・ジュリエッタに試乗

アルファロメオ・ミトやフィアット500などの小型車が日本市場でも好調で、注目を集めているフィアットグループオートモービルズジャパンは、すでに欧州市場などで好評を得ている5ドアハッチバックモデルのジュリエッタを日本市場へ導入。2月4日から全国の正規ディーラーを通じて販売されます。短時間でしたが、試乗する機会がありましたので、ミニレポートをお届けします(横浜みなとみらい周辺)。

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一目でアルファロメオとわかるフロントマスクや低く構えたシルエットなどが、スポーティかつエレガントなイタリアンデザインを形成。写真は、専用デザインのアルミホイールやレッドブレーキキャリパーなどを採用する、上級グレードのコンペティツィオーネ。


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コンペティツィオーネのインテリア。細部にわたるこだわりや高品質な素材がふんだんにあしらわれ、エクステリア同様にイタリアンデザインを満喫できる仕上がり。人間工学に基づいたスイッチ類なども特徴のひとつです。


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標準で350リットルの容量が確保されたラゲッジスペースなど、高いユーティリティ性能も見逃せません。リアシート格納時のラゲッジスペースは1045リットルに拡大され、スキー板などの長尺物にも対応できるセンタートンネルも備えられています。


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コンペティツィオーネやベースグレードのスプリントに搭載される1.4リッター直列4気筒16バルブインタークーラーターボエンジン。フィアット独自のバルブテクノロジーである「マルチエア」が採用され、最高出力125kW(170PS)/5500rpm、最大トルク230Nm(23.5kgm)/2250rpmを発揮。デュアルクラッチ式トランスミッションのTCTと組み合わされることで、ダイレクトかつスムーズな加速フィーリングが実現され、低燃費に貢献するアイドリングストップ機構の「START&STOPシステム」も採用されています。


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現時点での最高級グレードとなるクアドリフォリオヴェルデ(イタリア語で緑の四葉のクローバーの意)。その名のとおりのエンブレムに加え、225/40R18サイズタイヤ&アルミホイールやツインエキゾーストパイプなどが、エクステリアでの特徴です。


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レッドステッチが施されたレザーシートや9スピーカーやサブウーハーを備えたBOSEサウンドシステムが標準装備されるクアドリフォリオヴェルデのインテリア。


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アルファロメオ伝統の「1750」というネーミングが与えられた、1742cc直列4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボ直噴エンジンをクアドリフォリオヴェルデに搭載。デュアル可変バルブタイミングコントロールシステムやターボラグを解消するスカベンジングコントロールシステムなどが採用され、新開発された横置き3軸式6速MTと組み合わされることで、最高出力173kW(235PS)/5500rpm、最大トルク340Nm(34.7kgm)/1900rpmという性能を最大限が引き出されます。


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最近のアルファロメオ車に採用されているアルファD.N.Aシステムを全車に標準装備。これは走行モードをユーザーの任意によって、D(ダイナミック)、N(ノーマル)、A(オールウェザー)の3モードに切り換えられるシステムで、エンジントルクやハンドリングがよりスポーティに変化するDモードでは、アルファロメオらしいドライビングが楽しめます。


アルファロメオ創立100周年にあたる2010年に、同ブランドの名車であるジュリエッタが欧州市場で復活しました。コンパクトカーとしてのプラットフォームを一から見直したということもあり、重量比で約90%に高張力鋼板を使用したボディーに、アルミ合金を多用したサスペンション(フロント・マクファーソンストラット式、リア・マルチリンク式)、ステアリングコラムとステアリングラックに直接結合する2つのピニオンギアを持つデュアルピニオン式電動パワーステアリング、電子制御式デファレンシャルロック機能やオーバーステアを抑制するDST(ダイナミックステアリングトルク)などを協調制御したVDC(ビークルダイナミクスコントロール)などの最新テクノロジーが全車に標準装備されています。
試乗車はコンペティツィオーネとクアドリフォリオヴェルデの2台。ともにキビキビとしたハンドリングとレスポンスのよいパワートレインが心地よく、D.N.AモードをDにすれば、これぞアルファロメオといったフィーリングが味わえました。しかし、全域でジェントルながらも中回転域から急激に盛り上がるトルクとエンジンサウンドが感じられる1750エンジン搭載のクアドリフォリオヴェルデは、何ものにも代え難い高揚感があり、今や少数となったMTモデルとしても貴重な存在といえるでしょう。


メーカー希望小売価格は、ベースグレードのスプリントが318万円、コンペティツィオーネが358万円、クアドリフォリオヴェルデが388万円になっています。

(レポート・写真:小堀 和則)

リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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