2011年12月3日(土)から11日(日)まで東京ビッグサイトにて第42回東京モーターショーが開催されます。
今回、出店される三樹書房ブースにて、弊社書籍を販売しております。
また、モーターショー開催記念として、12月下旬発売の
『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』(武田 隆 著)を先行発売いたします。
一般書店に並ぶ前のこの機会にぜひ、会場にてご覧ください。
◆著者の武田 隆さんに、今回の本の読みどころ、書き終えての感想をいただきました◆
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ゴルフは、たぶん日本で一番ポピュラーな外国車ですが、メーカーとしてのフォルクスワーゲンも、近年、好調で勢いがあります。現行のゴルフはTSIエンジンなどが高く評価されていますが、1974年に誕生した初代ゴルフも伝説的な存在です。
もともとフランス車に関してはいろいろ調べていたのですが、ドイツ車については深入りする機会がなく、いつかもっと詳しく調べたいと思っていました。
そんなわけで今回、まずドイツの近代史の基本をおさらいすることから始めました。ドイツは今日まで、少なくとも「国力」という面ではヨーロッパのリーダー格であり続けて、いろいろな意味で非常に強力なものをもっているわけですが、ドイツというものがフォルクスワーゲンにも直接影響しています。なるべく近現代のドイツの歴史のなかで、ゴルフがどのように発展してきたかを考えるよう務めました。
また、偉大なゴルフのことを書くには、まずその哲学をおさえることだと、フォルクスワーゲン誕生の時代、1930年代や、20世紀初頭のドイツを考えることから書き始めています。そこで「ドイツのモダニズム」というキーワードに当たりました。フォーディズム、ドイツ工作連盟、バウハウスなどは、工業デザイン史の基本テーマといえるものですが、これらがゴルフの生誕に関係性があると思うようになりました。例えばドイツ再統一後に開発された4代目ゴルフは、ドイツのモダンデザインの復興をひとつのテーマにしたモデルでした。
デザインは、ゴルフの哲学がわかりやすく表現されている部分で、もともと個人的に美術に興味があったこともあり、この面には今回力が入りました。
近年のゴルフの好調さは、やはり模範的なもので、調子を落としている日本の刺激になるものがあるはずだと思いながら書き進めた次第です。
フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンからたくさんの貴重な写真を提供いただいたほか、ゴルフに限らず、関連するいろいろなクルマや、工場、人物、デザイン画などの写真が多く掲載されて、その点で見応えのある本になったのではないかと思います。
武田 隆