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ガソリン車で最高燃費を実現するダイハツのe:Sテクノロジー

ダイハツ工業から、ガソリン車トップとなるJC08モード燃費30km/lを達成する低燃費技術「e:Sテクノロジー」が発表されました(7月19日)。


e:S(イース)テクノロジーとは,Energy Saving Technologyの略で、これからのクルマづくりに求められる「低燃費」、「低価格」、「省資源」を実現するために,パワートレインやボディなどの既存技術に対して、すべての面から徹底的なブレークスルーを実施。エネルギー効率を最大限に高め、約40%の燃費向上を達成しています。


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エンジンは、10.8から11.3に圧縮比を高めるとともにインジェクター噴霧微粒化など8項目にわたって改善を積み重ね、燃焼効率を向上しています。


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燃焼室内のイオンで燃焼状態を検知するイオン電流燃焼制御をEGR制御に応用した「i−EGRシステム」を新型ムーヴ同様に採用。エンジン特性に合わせ緻密に制御することで、EGRガスをより大量に送り込み、ポンピングロスを大幅に低減。 さらに、チェーン幅細化による張力低減、ピストンリングの低張力化、オイルシールの見直しなど、計11項目で改善を施し、メカニカルロスを極限まで低減しています。


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トランスミッションとして採用されるCVTは、高効率オイルポンプの採用やCVT制御圧の低圧化など、計8項目の改善を積み重ねて動力伝達効率を向上。 変速ギア比をハイギアとすることにより、エンジン負荷を低減しています。


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車両の軽量化では、骨格部材の配置見直し、構成部品を可能な限りストレート化することで補強材を削減する形状最適化、高張力鋼板の効果的な配置を実施することなどで、安全性やボディ剛性を維持しながらシェルボディを約30kg軽量化。また、新構造シート骨格の採用などの内装部品の徹底した見直しに加え、CVTケースの薄肉化などが施されたアイドリングストップ用CVTユニットの採用などで、合計60kgもの軽量化を実現しています。


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アイドリングストップ機構の「eco-IDLE」は,車速が7km/h以下になるとエンジンを停止し、アイドリングストップ時間を増加することで、さらに燃費を向上させる新型へ進化。車両停止前のアイドリングストップ機構は、CVT車としては世界で初採用となります。


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減速時の車両の運動エネルギーをオルタネータで電気エネルギーに変換してバッテリに回生するエコ発電制御もさらに進化。減速時のオルタネータの発電量を増加させるとともに、バッテリの受入性を向上させて蓄電量を増やすことで、通常・加速走行時のオルタネータによる発電を大幅に抑制し、エンジン負荷の低減を図っています。


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低転がり抵抗タイヤの採用と駆動部品の改善などで、転がり抵抗を大幅に低減しています。


トヨタ・プリウスやホンダ・フィットハイブリッド、三菱アイミーブや日産リーフなど、ハイブリッドカーや電気自動車が次世代を担うエコカーとして注目されてきましたが、先日発売されて好評を得ているマツダ・デミオSKYACTIVなど、純粋なガソリンエンジンで低燃費を達成したクルマも発売されました。
なかでも、このe:Sテクノロジーを搭載したダイハツ製の軽自動車は、JC08モードで30km/lの低燃費を達成し、価格も79.5万円から発売すると本日(8月22日)の新聞広告で、大々的に発表されました。
ハイブリッドカーや電気自動車は、クルマとしてはまだまだ割高感がありますし、税制や保険などで優遇のある軽自動車でありながら、最新テクノロジーによってエコロジーとエコノミーを両立した、真のエコカーの登場といえるのではないでしょうか。

(レポート・小堀 和則)


リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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