本体2,400円+税
A5判/216頁/978-4-87687-347-0/2016年8月発売
多くの日産ファンを生む大きな契機となった、高度成長期のレース活動について、
日産のメカニックとして在籍した著者が、その活動について興味深く語る。
「星野一義氏」「鈴木亜久里氏」など、多数のスターを輩出した日産のワークス活動は、「追浜」と「大森」が有名で、圧倒的な人気を博していた。本書は、当時の日産のモータースポーツ活動の一端について、実際に大森のメカニックとして活躍した著者が解説する、類のない書。当時の貴重な写真も多数収録し、さらに大森ワークスの活動を中心とした詳細な戦績表も併せて掲載し、資料性も高めている。
【主な内容】
第1章 ピットイン
国内モータースポーツ黎明期/運命の扉が開くとき/私の少年時代/初めての就職/
決断、実行、それが私の持ち味/日産大森ワークス配属/大森分室の前身を辿ると
第2章 ピットアウト
日産大森ワークス10人のサムライ誕生/ニッサン・レーシング・スクールあれこれ/
岡田板金製、手造りエキマニに感動/大雨のレース、ノーマルタイヤで大勝負/
ピットインしてヘッドガスケット交換/ストックカーレースが再開される/
あの星野一義選手がやってきた/歳森康師選手、ハプニング事件/
レース場にてエンジン盗難事件勃発/森西栄一選手と生死を分けた事故/
結婚式前日、愛車盗難/桑島正美選手との出会い/新潟県・間瀬サーキット開幕/
北海道・白老サーキット開幕/ピットマン事故死・レース引き上げ/
それは鈴木誠一選手のサニー初優勝から始まった/日産大森ワークス黄金時代到来/
黒沢元治選手メカニック担当で優勝を飾る/鈴鹿第1コーナー、アウトから抜き去る国光サニーに感動/
日産大森・新社屋建設のため三田に移転/チェリークーペ1200X1-R、星野一義選手の活躍/
富士ツーリストトロフィー、残り10周で落胆/大森分室新社屋完成/サニーTSエンジン担当時の逸話/
大森ワークスが手掛けたエンジンの数々/毎週日本のどこかでレースが行われている/
大森ワークス、TSレースから撤退/新設FJ1300レース秘話
第3章 チェッカードフラッグ
第1回サービス出向で横浜日産・小田原(営)へ/後楽園球場・天然芝をサニーTSカーで走る/
オイルショック・レース休止・R380レストア時代/R200オプションデフ組み込み、ミッション組み立て/
パルサーエクサFF・ミッドシップに改造/萩原光選手のシルビア・スーパーシルエット/
近藤真彦氏・マーチ・スーパーシルエットを製作/国産グループCカー「LM03C」のコカコーラZ/
「マーチカップ」マーチ・ワンメイク車両製作/NISMOへ出向/鈴木亜久里選手のF3エンジン担当/
JAF鈴鹿GP・リタイア裏話/片山右京選手・F3初参加のエンジン担当/F3マカオGPの思い出/
神岡政夫選手のフェアレディZ・ラリー車担当/ニスモ最後の仕事・CA型F3エンジン開発/
オーテックジャパンへ移籍・VEJ30耐久試験担当/高度な専門的、技術的な話/
パドック裏話・あんな話こんな話/レーシングメカニックになるためには/
42歳独立・会社設立・新たなる旅立ち
あとがき
日産大森ワークス車両の1967-73年全戦績
および筆者が関わった車両の主要戦績