新装版『マツダ・ロータリーエンジンの歴史』の刊行にあたって

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2017年は、東洋工業(現:マツダ)が日本初のロータリーエンジン車を搭載したコスモスポーツを発売して50周年になります。

弊社では、以前刊行して品切れになっていた『マツダ・ロータリーエンジンの歴史』を新装版として再刊し、11月2日より東京モーターショー会場で先行販売することにしました。新装版の刊行にあたっては、マツダコスモスポーツクラブの会員であり、元会長を務められた松田信也様にこの本の序文を寄せていただきました。

自らコスモスポーツを愛用し、ロータリーエンジンのよき理解者である彼による新装版『マツダ・ロータリーエンジンの歴史』の感想を紹介しましょう。

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魅力あるロータリーエンジン車の復活を望む

2017年、マツダロータリーエンジンは誕生50周年を迎えました。

ドイツのバンケル博士とNSU社によって生み出されたロータリーエンジンは、当時「夢のエンジン」と呼ばれ、世界中のメーカーが注目し、実用化に取り組みました。しかしその壁は高く、多くのメーカーが挫折した中で、唯一実用化し、コスモスポーツに搭載して以降量産、販売してきたのが日本のマツダです。

アクセルを踏み込むとどこまでも回るロータリーフィーリングにあこがれ、いつかは乗ってみたいと思ったことのある人は今でもたくさんいるでしょう。同時に多くの若い人たちにもこの独特の感覚を体感してもらいたいと思うのは私だけではないと思います。幸いなことに、このようなロータリーエンジンの魅力を一番身近で体感できるのが、この日本なのです。

本書は新たなロータリーエンジン(RENESIS)を搭載したマツダRX-8が発売された2003年に出版されたものです。しかし今日読み返してみても内容に古さはそれほど感じません。逆に新たな知識を得ることもあり、新鮮な驚きや発見さえあります。この本は、マツダのロータリーエンジンが辿ってきた進化の過程について、様々な角度からわかりやすくまとめられており、入門書として楽しめるだけでなく、専門技術や歴史の参考書としても役立つことでしょう。

コスモスポーツオーナーズクラブの会長を務めていた私としては、ロータリーエンジン車に乗っている人はもちろん、これから乗ってみようと思っている人、ロータリーエンジンファン、マツダファン、そしてロータリーエンジンを知らない多くの若い人たちにぜひ読んでいただきたい一冊です。

そして、いつの日か、マツダの技術陣によって、再び新しい技術を盛り込んだ、魅力あるロータリーエンジンを搭載したクルマが復活することを期待して止みません。

コスモスポーツオーナーズクラブ  松田 信也

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